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香典返しの金額の相場は?お返しするタイミングとマナーを解説
自身が喪主を務める際には、気を遣わなければいけないことがいくつかあります。香典返しはそのなかでもTOP3に入るのではないでしょうか?香典の金額は故人様との関係性によって異なり、お返しの時期や品物も考慮しなければなりません。
創業昭和30年。4つのお葬式ブランド「お葬式 天光社」「家族葬 千の風」「自由な家族葬 糸」「野々村葬儀社」で九州・関東・岐阜・関西を中心に51店舗を展開。時代に合ったお葬式サービスで年間4,000件以上の葬儀実績がある株式会社天光社が香典返しについて解説いたします。
本記事では、香典返しの相場やマナーについて分かりやすく解説します。記事を読むことでお返しの適正な金額を知ることができ、香典返しに関する気遣いから解消されるでしょう。
香典返しは特別なケースを除いて必ず行うべきマナーです。香典をいただいた方に感謝の気持ちを込め、適正な金額の品物をお返しをしましょう。
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目次
香典返しの相場金額
香典返しは一般的に、いただいた金額の「半返し」か「3分の1返し」が相場と言われることが多いです。しかし高額な香典をいただいた場合には、半返しするのか、3分の1返しするのかで、かかる費用がかなり違ってきてしまいます。
相場は地域によっても異なりますが、どういったケースで贈り分けをすればよいのか下記にて詳しく解説していきます。
基本的には半返し
香典返しは基本的には、いただいた金額の「半返し」がマナーとされています。半返しとは、例えば1万円の香典をいただいたら、半額の5,000円程度の品物を香典返しとして贈るということです。
一般的な葬儀の場合、ご近所の方、友人関係、故人や遺族の仕事関係の方の香典の平均金額は5,000円です。その場合は半額の2,500円程度の香典返しを用意するようにします。
地域によっては、知人の香典は3,000円が相場とされている場合もあります。その場合の香典返しは1,500円程度です。少額の香典に対しても一般的には香典返しを行います。
相場と異なるケース
半返しが香典返しの基本ですが、3分の1返しでよいと言われている地域があります。一般的に、東日本では半返しですが、西日本では3分の1返しでよいとするケースもあるようです。地域の慣習がわからず不安な場合は葬儀社などに確認するといいでしょう。
その他のケースを下記にて紹介します。
高額な香典をいただいたとき
高額の香典をいただいた場合、3分の1程度の返礼品でも失礼ではないとされています。特に親戚・親族からの香典は葬儀料金の支払いを助ける相互扶助の意味合いもありますので、高額になることが多いです。
一般的に、3万円以上を高額と考えます。また、5万円以上の香典の場合は、4分の1程度でも構わないでしょう。
親族への香典返しをするとき
一家の主が亡くなった場合も、香典返しは3分の1程度でよいとされています。香典には今後の生活に使ってほしいという配慮の意味も込められているためです。なので一家の働き手が未成年の子供を遺して亡くなった場合などには、必ずしも半返しでなくてもよいでしょう。
また、未成年の子供や若い方が亡くなったときも3分の1程度でよいとされています。若い方が亡くなると、会葬者も大勢になりやすいので遺族の負担も大きくなります。
まだ若い方を亡くした遺族の心労への弔慰を込めて香典を出す方が多いので、必ずしも半返しにあてはめなくても問題ありません。
世帯主や未成年の子供が亡くなったとき
一家の主が亡くなった場合も、香典返しは3分の1程度でよいとされています。香典には今後の生活に使ってほしいという配慮の意味も込められているためです。なので一家の働き手が未成年の子供を遺して亡くなった場合などには、必ずしも半返しでなくてもよいでしょう。
また、未成年の子供や若い方が亡くなったときも3分の1程度でよいとされています。若い方が亡くなると、会葬者も大勢になりやすいので遺族の負担も大きくなります。
まだ若い方を亡くした遺族の心労への弔慰を込めて香典を出す方が多いので、必ずしも半返しにあてはめなくても問題ありません。
葬儀の香典については以下の記事で詳しく解説しております。 葬儀での香典の相場は?香典袋の書き方や渡し方、辞退や欠席の対応 |
即返し(当日返し)とは?
葬儀後に香典返しをするためには、香典帳に記載のある住所の確認や、送る商品の選定などをしなければならず、近親者が亡くなってただでさえ大変な遺族にとって大きな負担となります。
そこで、近年は通夜・告別式の場で、参列いただいたことへの感謝の気持ちを込めて香典返しを渡す「即返し(当日返し)」をする方も増えてきました。葬儀当日に直接渡せるため、葬儀後の香典帳の整理や発送手続きなどの負担を軽減できます。
即返しをする場合は、通夜・葬儀当日は一律ですべての参列者に同じ香典返しを渡し、高額の香典をいただいた方へは後日改めて、金額にふさわしい品物をお送りします。
即返しは2,000円~3,000円が相場
一般参列者からの香典が平均5,000円程度の地域の場合、当日返しを行う際には、2,000円~3,000円程度の香典返しを用意します。これで大体の方へのお返しを葬儀当日で終わらせられます。
親戚や、特に親しくしていた方などから高額の香典をいただいた場合にのみ、即返しで渡した品と合わせて3分の1から半返しになるような品物を選定して後日送ります。
その場合には、四十九日法要が終わった後に先方に届くよう手配しましょう。直接渡せる方には会ってお礼を伝えつつ、返礼品を手渡しするのが最も丁寧ですが、無事に法要が終了したことをお知らせするお礼状や挨拶状を添えて郵送するのが一般的です。
香典返しを贈らないケース
一般的には少額でも香典返しを行うのがマナーですが、香典返しを贈らなくてもよいケースがあります。下記にて詳しく見ていきましょう。
香典返しを辞退されたとき
受付などで香典を受け取る際に「香典返しは辞退させていただきます」と言われる場合があります。あるいは、香典の表に辞退する旨の記載があったり、中に手紙が入っていたりするケースもあるでしょう。その場合は基本的には香典返しは不要です。香典返しと別に会葬御礼品がある場合は、受け取ってもらえそうであればそちらを渡すようにしましょう。
また、いただいた香典が高額だった場合には後日、お礼状だけでもお送りするとよいでしょう。
会社名や部署名、団体などからの御香典
故人や喪主の仕事、趣味の関係などで、会社名義や◯◯部署一同、◯◯有志一同(団体名)といった形で1万円程度の香典をいただく場合もあります。この場合は、香典が会社から経費として出ていることも多いので、個別に香典返しという形ではなくても、葬儀後に個別包装になっているお茶やお菓子などを皆さんにお配りする形で問題ありません。
ただし、香典の金額が社員や部署の人数で割ると通常個々にいただく金額(3,000円程度)と変わらないような場合は、きちんと個別に香典返しを贈るようにします。
香典を寄付する場合
最近は故人の遺言で香典を寄付するという選択肢もあります。全額寄付を行う場合には、香典返しは贈りません。しかし、香典を寄付するのはまだそこまで一般的ではありませんので、会葬礼状などに、寄付をさせていただくために香典返しはお贈りしない旨を記載する必要があります。
また、香典返しを一切しないことに抵抗がある場合には、香典返しをした上で残った金額を寄付することもできます。
香典返しを贈る時期
仏式で葬儀を行った場合、香典返しは四十九日法要の後に「忌明け」してから送ります。本来は四十九日の翌日に届けるのがマナーですが、2週間以内を目安に届くようにする形で問題ありません。四十九日法要の前に、希望の日時に届くように先に注文しておくことも可能です。
神式での場合は五十日祭が忌明けとなります。キリスト教の場合は、プロテスタントでは1カ月後の召天記念日後、カトリックでは30日後の追悼ミサ後にお返しをするのが慣例となっています。
「香典返し」はもともと仏式のしきたりで、神式やキリスト教式にはなかった習慣なのですが、今は仏式に準じる形でお返しが行われています。
葬儀の香典返しについては以下の記事で詳しく解説しております。 葬儀の香典返しはいつまでに送る?時期や金額の目安、基本マナー |
香典返しに適した品物
葬儀や法事など、弔事でお返しする品物は「不祝儀を残さない」という考えから、食品や日用品などの食べたり使ったりして無くなる「消え物」をお贈りするのがマナーです。
食品であればお茶・コーヒー・のり・お菓子など、日用品であればタオル・石鹸・洗剤などの消耗品が昔からの定番でもあるのでおすすめです。
近年よく見かけるカタログギフトは、いくつかの金額の品物を贈り分けしなければならない場合など、贈る側としても便利で、もらった側も自由に好きな商品を選べるため人気となっています。
香典返しにつける掛け紙
香典返しの品物には掛け紙をつけるのがマナーです。印刷されているものも多くありますが、関東では「黒白(5本)結び切り」の水引に「志」 、関西〜西日本や北陸地方など一部地域では「黄白(5本)結び切り」の水引に「満中陰志」や「粗供養」と表書きをつけるのが一般的です。
水引の下には、喪主のフルネームか「〇〇(苗字)家」と記載します。
香典返しにはお礼状を添える
お礼状には、通夜・告別式に参列していただいたこと、御香典や供物をいただいたことに対するお礼を記載します。そして四十九日法要が無事に済んだこと、戒名が決まっていればそちらも併せて記載しましょう。また、生前の故人とのお付き合いに対しての感謝とお礼を記載し、郵送する場合には略儀でお礼を伝えることについてのお詫びも添えます。
近年では、WEBサービスや通販、ギフトショップや百貨店で香典返しを手配するとお礼状も一緒につけてもらえることが多いです。お礼状自体も、最も丁寧な奉書紙タイプから、ハガキやカードタイプなどから選べるでしょう。
香典返しは半返しを目安に、地域の習慣に従って心を込めたお返しを
香典返しの相場は基本的には半返しです。しかし、いただいた香典が高額だった場合や、故人が若かった場合などは3分の1返しか、それ以下でもよいケースがあります。また、即返しをする場合にはいただいた金額によって、後日の対応が必要かどうかも変わってきます。
ただし、葬儀や香典返しに関する習慣は地域によって異なりますので、不安な場合は葬儀社の担当者に相談するのが安心です。