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葬儀の流れ12ステップ│日程・時間の組み方からマナーや注意点まで
初めて喪主を務めるが、どういった準備や手続きが必要かわからない…。そんな不安を抱えていませんか?通夜式や葬儀式に参列した経験はあっても、葬儀の一連の流れや必要な準備は思いのほか把握できていないものです。
本記事では、危篤から納骨に至る葬儀の基本的な流れや、多くの方からいただく葬儀に関する質問についてご紹介します。
\ お葬式の事が気になりはじめたら /
葬儀の基本的な流れ
葬儀とは、広義の意味では葬送儀礼を意味する言葉です。
葬送儀礼とは、臨終から遺体の安置、通夜や葬儀式・告別式、火葬、四十九日などといった臨終に関連して行う一連の儀式のことを指します。また狭義の意味では、葬儀式のみを指して使われる言葉です。
※本記事では葬儀を広義の意味でとらえ、臨終から納骨までの一連の流れをご紹介します。
<葬儀の基本的な流れ>
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※あくまで一般的な日程・流れのため、必要に応じて調整をする場合もあります。
それぞれの項目について具体的にご説明します。
1.【危篤】家族や葬儀社に連絡する
危篤連絡を受けたら、まずは家族や親族などに連絡を入れましょう。続いて、葬儀社と遺体搬送などの手続きについて打合せします。なお、菩提寺がある場合はそちらにも伝えます。会社勤めの方は、職場への休暇取得連絡を忘れず行ってください。なお、連絡先リストを事前に作成しておくと、スムーズな連絡が可能です。
2.【逝去】死亡診断書・死亡届を提出する
逝去後、医師によって死亡診断書が作成されます。多くの場合、死亡診断書と死亡届が1枚になっていますので、死亡診断書を受け取ったら死亡届の欄に必要事項を記入しましょう。逝去から7日以内に故人の本籍地・提出者の居住地・故人の死亡地のいずれかの役所へ死亡届を提出しなければなりません。死亡届の提出と引き換えに火葬許可証が発行されます。
火葬場に火葬の予約を行うことも重要です。火葬の日時が決定されなければ葬儀などの日程調整はできません。首都圏では、火葬場が混雑していて予約を取りづらい時期もあるようです。一連の手続きは葬儀社のスタッフによる代行が可能です。
病院で亡くなった際は、看護師などのスタッフの案内に従って末期の水を取る場合もあります。また、遺体搬送の前に看護師によるエンゼルケアやエンバーミングと呼ばれる遺体の防腐処理が施されることもあります。
3.【安置】遺体を搬送して安置する
葬儀社へ連絡をする際に遺体の安置場所を決定し、搬送業者を手配してもらうことが一般的です。多くの場合、安置場所にはご自宅や葬儀会館、民間業者の安置所などが選ばれます。なお、故人が病院で逝去された場合、なるべく早めの搬送を要請されることがあります。これは、病院の安置所の数に限りがあり、遺体を長時間安置することができないためです。
4.【打ち合わせ】葬儀社と葬儀の日程や内容を決める
遺体安置後、葬儀社の担当者と共に葬儀の段取りを決めていきます。葬儀社によって対応できる範囲は異なるため、あらかじめ葬儀社を予約し、事前相談を行っておくと安心です。
葬儀担当者との相談では、主に以下のような詳細内容を決めていきます。
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基本的に、担当者との相談は対面、または電話やメールで行われます。また、コロナ禍になってからは接触を避けるためにオンライン相談を実施している葬儀社もあります。
葬儀の日程の決め方については以下の記事で詳しく解説しております。 葬儀日程の決め方や亡くなってからの流れや注意点、友引を避ける理由 |
5.【納棺・湯灌】遺体を清めて棺に納める
納棺の前には、湯灌(ゆかん)などで故人の体を清めます。湯灌とは故人が安らかに成仏できるよう、生前の苦しみや悩みを洗い流すための儀式のことです。故人の体を清めた後は死化粧や死装束を施し、棺へ遺体を納めます。これらの儀式は、葬儀社に依頼して代行してもらうことが多いです。
6.【通夜】近親者が集まり故人と最後の夜を過ごす
多くの場合、通夜式は故人が亡くなった翌日の夕方から夜にかけた18時から19時頃に開始します。これは、遺体の腐敗が始まる前に行うのが好ましい、かつ法律によって死亡から24時間以内の火葬が禁じられているためです。なお、新型コロナウイルスなどの感染症が死因である場合は、24時間以内の火葬が認められています。基本的には葬儀社側が通夜式全体を取り仕切りますので、スタッフの指示に従って式を進めることになります。
7.【葬儀式・告別式】故人と最後のお別れをする
故人との最後のお別れとなる葬儀式や告別式は、通夜を行った翌日に行われます。
葬儀式とは、お坊さんの読経などを中心とした宗教的な儀式のことを指し、家族や親族といった故人に近い人物が参列する宗教的な式です。一方の告別式では、焼香や弔辞・弔電の披露、喪主の挨拶などが行われ、友人や会社関係者といった故人とゆかりのある弔問客が参列する社会的な式となります。葬儀式と告別式は連続して行われることが一般的です。
告別式の最後に参列者の手で棺が霊柩車へ運ばれ、火葬場へ出棺します。
8.【火葬・収骨】火葬後に近親者で骨上げを行う
炉前にて最後の焼香をした後、火葬を行います。火葬終了後、燃え残ったお骨を骨壺へ納める儀式が骨上げです。喪主を筆頭に故人と血縁の近い順に2人1組で行い、足元の骨から骨壺へを入れていきます。
9.【還骨法要・初七日法要】故人を供養する
火葬終了後、持ち帰ったお骨と共に行われるのが還骨法要です。式場の祭壇にお骨を安置し、お坊さんによる読経や焼香を行います。初七日法要は、本来亡くなってから7日目に行われる法要でしたが、近年では参列者の負担軽減のため還骨法要と合わせて行うことが増えています。
10.【精進落とし】僧侶や参列者を招いて会食する
法要終了後には、精進落としと呼ばれる会食の場が設けられることが一般的です。お坊さんや参列者へ食事を振る舞い、参列してくれたことへのお礼の気持ちを伝える場です。多くの場合、精進落としに参加する人数はあらかじめ決まっているため、精進落としの食事には1人ずつお膳で提供される会席料理などが選ばれることが多いです。
11.【祭壇】祭壇を用意し遺骨を安置する
四十九日までの間は、自宅などに後飾り祭壇を用意して遺骨を安置します。後飾り祭壇には遺骨のほか、白木位牌や遺影を飾り、仏壇の横に配置しましょう。仏壇がない場合は、自宅の北の部屋、もしくは西の部屋に配置しても構いません。葬儀プランによっては、葬儀社側で後飾り祭壇を設置してくれる場合もあります。
12.【納骨・四十九日】遺骨をお墓に納める
四十九日法要は、これまで喪に服していた遺族が通常の生活に戻る際に行われる法要です。厳密には亡くなってから49日目に行われる法要ですが、近年では参列者の都合に合わせて49日より前に行われることも増えています。また、忌明けとなる49日目を1つの区切りとして、四十九日法要と併せて故人の遺骨をお墓や納骨堂へと納める納骨式が行われます。
葬儀の段取りについては以下の記事で詳しく解説しております。 知っておきたい葬儀の段取り|臨終から葬儀や火葬、必要な手続きまで |
葬儀の流れに関するよくある質問
ここまでは、一般的な葬儀の流れについてご紹介しました。
続いては、多くの方々からいただく葬儀の流れに関する質問を解説します。
宗旨・宗派によって葬儀の流れは変わりますか?
宗旨・宗派はもちろん、地域によっても葬儀の流れはさまざまです。そのほか、焼香の回数や方法、数珠の持ち方といった細かい作法など、違いが見られる箇所は多岐にわたります。また、自由葬など故人が生前に葬儀内容の希望を出している場合などは、従来の一般葬とは内容が大きく異なります。
家族葬の場合に葬儀の流れは変わりますか?
家族葬は一般葬と同じ流れで行われることが多いです。一方で、火葬式のみを行う直葬や通夜式を行わない一日葬の場合は、一部の儀礼が省略されます。
葬儀費用はいつどのように支払えば良いですか?
葬儀社によって異なりますが、葬儀終了後1週間~10日以内に支払い期限が設定される場合が多いです。長い場合は1カ月以内、短い場合は葬儀を行った当日中に支払い期限を設けている葬儀社もあります。支払い方法は、銀行への振り込みが一般的です。中にはクレジット払いやローン払い、コンビニ払いに対応している葬儀社もあります。
葬儀の費用については以下の記事で詳しく解説しております。 葬儀費用の相場はいくら?内訳や項目、金額を抑えて負担を減らすコツ |
葬儀全体の流れを把握して後悔のない弔いを
今回は、葬儀の一般的な流れや葬儀に関する良くある質問を解説しました。事前に葬儀の流れを把握していれば、葬儀の準備もスムーズに進められるはずです。葬儀は、故人様との最後の別れの儀式となる大切なもの。ぜひ本記事を参考にしていただき、悔いのない葬儀を行いましょう。