お葬式の豆知識葬儀、法事、終活など様々な疑問に対する解決策や
マナーについてのお役立ち情報をお届けします。
家族葬と一般葬の違いは?どんな人に向いている?
テレビCMや新聞・インターネットの広告でも「家族葬」という言葉を目にしたことがある方は多いのではないでしょうか。また、実際に「自分や家族の葬儀は家族葬が良いな」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、家族葬と一般葬それぞれのメリット・デメリットを把握しないままに決めてしまうと後悔したり、後々親族間のトラブルにつながるケースがあります。
本記事では、どういった方に「一般葬」「家族葬」が向いているのか解説していきます。
\ お葬式の事が気になりはじめたら /
目次
一般葬と家族葬とは?
葬儀のやり方には大きく分けて一般葬、一日葬、火葬式、直葬の4つの葬儀形態があります。一般葬は葬儀形態の一つになります。一方で「家族葬」はそれらの葬儀形態で参列者を限定した場合での呼び名になります。
どのような葬儀を一般葬、家族葬と呼ぶのか下記で詳しく見ていきましょう。
一般葬とは
「一般葬」は通夜式・告別式を行い、会葬者や参列者は特に制限をしない葬儀の事を言います。
訃報などを出し、葬儀が行われる前に亡くなったことを広く知らせるので、親戚、友人の他に近所の方や、職場の方も会葬に来ることもあります。基本的には供花・香典・その他供物もお断りせずに行う式のことを指します。
家族葬とは
「家族葬」は家族や親しい友人など限られた少人数の参列者を想定したお葬式です。どこまでの範囲の人を呼ぶのかといった明確な決まりはありません。遺族が呼んだ人以外の参列はお断りし、参列した方に対しても供花や香典をお断りすることもよく見られます。
また、家族葬でもお通夜・告別式を行うのが一般的ですが、一日葬や火葬式のみで終えてしまうこともあります。供花や香典を受け取るかどうかを含め、どのような形式の家族葬にするのかは、故人や遺族の希望で決めることができます。
※葬儀社によっては選んだ葬儀プランや葬儀形態によって出せる供花の数などに制限がある場合もあります。
家族葬については以下の記事で詳しく解説しております。 家族葬とは?葬儀の流れや費用、参列者の範囲や会社への対応マナー |
一般葬と家族葬の違い
一般葬と家族葬での大きな違いは参列者の人数ですが、身内のみで行うのか親戚や知人も呼ぶのかで変わってくる項目もあります。葬儀までの準備や決めなければならないこと、当日の流れにどういった違いがあるのか見ていきましょう。
葬儀の準備の違い
近親者が亡くなり、葬儀を行うと決まった場合には日程や祭壇の他に、下記の表の項目をどのようにするかを決める必要があります。
家族葬を選んだ場合は特に、「誰を呼ぶのか、訃報を出すのか、供物や香典を受け取るのか」ということを事前に決めなければいけません。
一般葬 | 家族葬 (限られた人数で行うが人数は家族の意向により異なる) |
|
参列者 | 制限なし | (喪家が呼んだ人だけが参列) |
訃報 | 〇 | △ (葬儀前に訃報を出した上で参列を断る場合もある) |
供花・供物 | 〇 | △ (受け取る場合もある) |
香典 | 〇 | △ (受け取る場合もある) |
会葬品(会葬御礼品) | 〇 | 〇 (同居家族だけの場合なし) |
香典返し | 〇 | △ (香典を受け取る場合は用意する) |
弔電 | 〇 | 〇 |
通夜振る舞い | 〇 | △ (行う場合もある) |
精進落とし | 〇 | △ (行う場合もある) |
家族葬の場合は葬儀前に訃報は出さずに、葬儀後にお知らせする形が一般的です。
しかし、亡くなった時の状況や家の環境などによっては亡くなったことを周囲の人が知っている場合もあります。その場合には、しっかりと訃報を葬儀前に出し、「家族葬で執り行うため、会葬はご遠慮いただきたい」という旨を記載しなければなりません。
また、訃報内で供花や香典について辞退するかどうかを記載する場合もあります。供花や香典など全てを辞退したい場合には、「ご厚志(ご厚意)辞退申し上げます」などと明記した方が親切です。
家族葬だから供物や香典を辞退しなければならないという決まりはありません。ただし、家族葬でも香典を受け取る場合には香典返しを用意する必要があります。香典返しは、基本的には四十九日法要を終えた後に先方に届くように手配しますが、近年は葬儀当日に渡してしまう即返しも増えてきました。即返しの場合は、当日渡した品物ではお返しが足りないような人にだけ、再度四十九日が過ぎてから+αでお返しをお送りします。即返しを行う場合には、事前に返礼品とその数を決めて発注しておかなければなりません。
葬儀の香典返しについては以下の記事で詳しく解説しております。 葬儀の香典返しはいつまでに送る?時期や金額の目安、基本マナー |
通夜振る舞いや精進落としの席を設ける場合には、料理の内容なども決めて事前に手配しておく必要があります。どういった形式の葬儀にしたいのかは、故人や遺族の意向で決められますので葬儀社のスタッフとよく相談して対応を決めましょう。
葬儀当日の流れの違い
基本的な葬儀の流れは、一般葬でも家族葬でも違いはありません。一日葬や火葬式を選択すると通夜式自体を行わないなどといったように式の日程に大きな違いが出てきます。
一般葬の場合は遺族の集合時間が開式の1~2時間前で、開式前にも遺族席に座り一般会葬者への挨拶や対応をする必要があります。規模が大きくなると、参列者の焼香だけで30分から一時間以上かかってしまい、全体で3~4時間の長丁場となる場合もあります。
参列者が家族だけの家族葬であれば、集合は開式前の約30分前が一般的で、式自体も1時間程度でコンパクトに終了することが多いです。
通夜振る舞いや精進落としの会食を行う場合には式終了後、少なくとも1時間程度は散会までに時間がかかります。参列者が家族だけでも会食を行う場合もありますが、少人数であれば式場内では行わずに故人の縁の店などを予約して行うこともあるようです。
会食や喪主の挨拶などを行うかどうかは、家族以外の参列者の有無が大きく関係します。
また、近年では新型コロナウイルスの影響で、大人数の会食への制限があることが多く、替わりにお弁当や代わりの品物を手配して参列者に持ち帰ってもらうというケースも見られます。
費用相場の違い
一般葬は全国平均で約100万円~120万円、家族葬は平均で約80万円~100万円が相場と言われています。
家族葬は参列者が一般葬に比べて少ないので、返礼品や飲食代といった点で費用がかかりません。また、家族葬で且つ一日葬や火葬式を選択すると、斎場の利用料金や葬儀スタッフの人件費といった面でも価格が抑えられるでしょう。
しかし、注意したいのは一般葬では会葬者がそれなりに見込まれるので香典収入がありますが、家族葬ではそれが無いという点です。
生前のお付き合いを幅広くされていた故人様の葬儀などでは、一般葬を行ってもたくさんの方が香典をお持ちになって会葬に来られるので、最終的には持ち出しの費用がほとんど発生しなかったという場合もあります。一般葬よりも家族葬の方がお金がかからないかどうかはケースバイケースです。
一般葬と家族葬のメリット・デメリット
一般葬と家族葬にはそれぞれどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
詳しく見ていきましょう。
一般葬と家族葬のメリット比較
一般葬のメリット
|
家族葬のメリット
|
一般葬と家族葬のデメリット比較
一般葬のデメリット
|
家族葬のデメリット
|
一般葬と家族葬のどちらを選ぶべき?
それぞれのメリット・デメリットを踏まえると、一般葬・家族葬に向いている人は以下のようになります。
一般葬が向いているケース
|
家族葬が向いているケース
|
どちらが向いているのかわからない場合は?
地方などでは特にその地域ごとの葬儀に関する習わしやしきたりがあります。そのような社会的背景をもとにして一般に行われる葬儀と、希望する葬儀が異なる場合は、一度葬儀社に事前の無料相談に行くことがおすすめです。
葬儀社では、さまざまな葬儀プランが用意されていますし、その地域の昔ながらの習慣は葬儀社のスタッフがよく把握をしているので、相談してみるとよいでしょう。
近年では生前に自分の葬儀の見積りを取る方も増えています。かかる費用や、残された家族の負担などが心配な場合には、複数の葬儀社の資料請求をしたり、周囲の人も含めて事前相談をしておくと安心です。
家族葬と一般葬の違いを把握して葬儀の形態を決めよう
一般葬と家族葬の大きな違いは参列者の人数です。家族葬は遺族が呼んだ人だけが参列するのが前提ですが、一般葬に参列者の制限はありません。また、一般葬では家族や親戚、仕事関係の方や友人・知人が供花を出したり、香典を持って会葬に来たりしますが、家族葬ではそれらをお断りする場合もあります。
年長者の親族の中には家族葬に否定的な意見を持っている人たちもいるので、家族葬を選ぶ場合には考えを理解してもらうよう、納得してもらえるまで説明することが必要です。
一般葬と家族葬の違いやメリット・デメリットを把握し、自分達にはどちらが合っているのかをよく検討して葬儀のやり方を決めるようにしましょう。