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四十九日法要とは?その意味や準備の仕方、当日の流れまで徹底解説

四十九日法要とは?その意味や準備の仕方、当日の流れまで徹底解説

葬儀の後では四十九日の法要が最も重要なセレモニーです。しかし四十九日の持つ意味やマナーについてはあまり知られていません。

本記事では、なぜ四十九日に供養を行うのかや準備の仕方、マナーについて詳しく解説します。

四十九日の位置づけは宗教宗派によって違いがあるため、主に浄土真宗以外の多くの仏教宗派について詳しく解説し、浄土真宗や神道・キリスト教の慣習も併せて紹介します。

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四十九日の宗教的な位置づけ

四十九日の宗教的な位置づけ

四十九日は本来、仏教の死生観に基づく考え方です。仏教でも浄土真宗では他の宗派と違った教えが存在します。一般の仏教、浄土真宗、神道・キリスト教に分けて四十九日の考え方を紹介します。

 

仏教での四十九日の考え方

四十九日(しじゅうくにち)とは人が亡くなってから49日目、または49日目までの期間を意味する言葉です。49日目に行われる四十九日法要を略して四十九日と称することもあります。

仏教では亡くなると7日ごとに審判を受け、それを7回繰り返し49日後に最終的に極楽浄土へ行けるかどうかが判断されます。残された遺族は、故人が無事に極楽浄土へ旅立てるように7日ごとにお勤めをして、最後の49日目に最も重要な供養を行います。

7日ごとに行われる供養を順に「初七日(しょなのか)」「二七日(ふたなのか)」「三七日(みなのか)」「四七日(よなのか)」「五七日(いつなのか・ごなのか)」「六七日(むなのか)」「七七日(なななのか)」と言い、最後の七七日の通称が四十九日です。

命日から四十九日までの期間は「忌中(きちゅう)」とも呼ばれ、遺族は喪に服さなければなりません。なるべく外出を控え、お祝い事も避けなければならないとされています。

最近では7日ごとの法要はほとんど省略され、初七日と四十九日のみが行われることが多くなっています。初七日法要も火葬の後に繰り上げて実施されることがほとんどです。

現代では、葬儀の後の最も重要なセレモニーが四十九日法要です。

 

浄土真宗での四十九日の考え方

浄土真宗の教えは、他の仏教の宗派とは大きく異なります。浄土真宗は、人が亡くなるとすぐに極楽浄土へ行ける「即身成仏(そくしんじょうぶつ)」という考えに基づいています。浄土真宗でも四十九日法要を行いますが、故人を無事に極楽浄土へ導くための供養ではなく遺族の心を癒し悲しみに一区切りをつけるための行事です。

 

神道・キリスト教での四十九日の考え方

四十九日法要は仏教の死生観に基づいているので神道やキリスト教では行いませんが、似たような行事があります。

神道で仏教の四十九日法要に該当する儀式は五十日祭です。仏教と同様に五十日祭を終えることによって喪に服する期間が終了します。

キリスト教にも四十九日に相当する追悼行事があります。カトリックでは追悼ミサ、プロテスタントでは記念集会などと呼ばれ、どちらも故人が亡くなって約1カ月後に行われます。

宗教宗派は違っても、故人を悼み悲しみに一区切りをつける葬送儀礼が必要とされているのでしょう。

 

四十九日の数え方

四十九日の数え方

四十九日の数え方に関しては、亡くなった日を1日目とする方法で計算するのが一般的です。したがって亡くなった日の48日後が四十九日となります。たとえば、5月10日に亡くなった場合、6月27日が四十九日です。

関西の一部地域では、亡くなった日の前日を1日目とする数え方をします。この場合は亡くなった日の47日後が四十九日です。5月10日に亡くなった場合は、6月26日が四十九日になります。

 

四十九日法要の日程の決め方

四十九日法要の日程の決め方

四十九日法要は本来亡くなってから49日目に行うものですが、実際には平日だと都合がつかずに別の日に行うケースがよくあります。ここでは、日程の決め方や決めるうえで注意すべきポイントについて解説します。

 

宗教者のスケジュールを確認する

最も重要なことは法要でお勤めをお願いするお坊さんのスケジュールです。菩提寺があれば菩提寺の住職にお願いすることになります。菩提寺がない場合は、葬儀で読経をお願いしたお坊さんのスケジュールを確認してみましょう。

 

参列者の都合を確認する

法要への出席をお願いする親族の都合も考慮しなければなりません。参列者が多数になる場合は、主な親族だけでも事前に都合を聞いておいた方がよいでしょう。

 

法要・会食を行う場所を決める

菩提寺がある場合は、菩提寺で法要を実施できます。特に納骨も同時に行うのであれば移動の手間が省けて便利です。

最近では自宅で行うケースも増えています。少人数の親族のみで行う場合は、自宅でも十分でしょう。ただし、会食を別の場所で行うのであれば移動しなければなりません。仕出し弁当を取る場合も、料理の準備や後片付けなどは意外に手間がかかります。お茶を出したり、座布団や駐車場の確保をしたりするのも大変な作業です。

ホテルや葬儀ホール、霊園に備え付けの施設でも法要を行えます。お盆やお彼岸の時期は混雑が予想されるので早めの予約が必要です。

 

法要をやってはいけない日はあるか?

本来の四十九日当日に法要を行わないのであれば必ずそれよりも早めに行いましょう。不幸事は先延ばしにせずに早めに済ませるのが基本です。

また、亡くなった日から3カ月目に法要を実施するのは「三月掛け(みつきがけ)」や「三月またぎ」と言われ、よくないとされています。「三月(みつき)」は「身に付く」につながり、「四十九(しじゅうく)日」はその読みから「始終苦になる」を連想させます。四十九日を三月にわたって行うのは「始終苦が身に付く」として縁起が悪いと考えられるようになりました。

 

四十九日法要の準備の進めかた

四十九日法要の準備の進めかた

四十九日の法要の準備には時間を要する項目もあります。
準備すべきことを把握したうえで余裕を持って進めましょう。

 

本位牌の準備

仏教では葬儀が終わると自宅に「後飾り」という祭壇を設置し、ろうそくやお花とともに白木の位牌を飾ります。白木の位牌は四十九日までの仮の位牌で、忌明け法要を行うタイミングで本位牌に変更しなければなりません。四十九日までに本位牌を準備しましょう。

ただし浄土真宗では本位牌は使用しません。過去帳が本位牌の代わりです。本位牌は1人に1つ必要ですが、過去帳は1つの過去帳に家族すべての名前を記入します。

ちなみに浄土真宗では、仏教一般に使われる戒名のことを「法名」と言います。

 

仏壇の準備

もし自宅に仏壇がなければ準備しなければなりません。四十九日までは後飾り祭壇を設置しますが、四十九日以降は祭壇を取り払い仏壇に向かって手を合わせることになります。
仏壇は場所を取るものもあるので、置く場所や向きの検討が必要です。

 

お墓の準備

仏壇と同様に、先祖代々のお墓がなければ埋葬する墓地を決めお墓の手配をしなければなりません。お墓が準備できていれば、四十九日法要の時に納骨法要を一緒に行うのが一般的です。ただしお墓の準備には時間がかかるので、四十九日法要が終わってからあらためて行うケースもあります。

最近では、納骨堂への収骨や海洋散骨、樹木葬などさまざまな埋葬スタイルが増加傾向です。
埋葬には「埋葬許可証」が必要ですので、火葬を行った後は大切に保管しておきましょう。

 

案内状の送付

参列をお願いする方には案内状を送付します。人数が少なければ電話などで連絡してもかまいません。送付する場合は、余裕を持って法要の1カ月程度前に到着するようにしましょう。
案内状には、法要を営む日時や場所、会食するかどうかなどを記載します。

 

会食の準備

法要の後に会食を行う場合は、会食するお店に予約を取らなければなりません。自宅で法要を行って仕出し料理を取ったり、食事をふるまわずに折詰弁当を持って帰ってもらったりするケースもあるようです。

いずれにせよ、参列者の数を把握して人数分の食事を用意します。法要の会場と会食場所が異なる場合は、移動の手段も考慮する必要があります。

 

引き出物の準備

引き出物は法要当日に参列者が持参するお供えへのお返しです。

お供えへのお礼だけではなく、わざわざ来てもらったことへの感謝の意味もあるので葬儀における会葬御礼も兼ねています。

引き出物には、不幸がいつまでも残らないように「消えもの」と呼ばれる、食べたり使ったりしてなくなる商品が選ばれます。

 

四十九日法要当日の進行

四十九日法要当日の進行

四十九日法要の当日は以下のような流れで進行します。

  1. ①開式
  2. ②読経と焼香
  3. ③お坊さんによる法話
  4. ④閉式
  5. ⑤会食

5つのステップについて順番に説明します。

①開式

法要の参列者がそろいお坊さんが着席したタイミングで、施主が開式の挨拶を行います。施主はわざわざ集まっていただいたことへのお礼と今から故人の四十九日法要を始めることを簡単に述べて、お坊さんに読経をお願いしましょう。

 

②読経と焼香

施主の挨拶の後、お坊さんの読経が始まります。読経の途中、お坊さんの指示により焼香を行います。焼香は施主から始まり、血縁関係の近い順に行うのが通例です。
本位牌や仏壇の魂入れ(開眼供養)も読経の一環として行われます。

 

③お坊さんによる法話

読経と焼香が終わると、お坊さんからの法話があります。
納骨式を行う場合はお墓に移動しなければなりません。お墓で再びお経をあげ、納骨・焼香を行う流れです。

 

④閉式

すべての儀式が終了すると、施主が挨拶をして法要は終了します。その後会食がある場合は、その旨案内しましょう。

 

⑤会食

葬儀や法要の後に行う会食のことを「お斎(おとき)」と言います。
お斎にはお坊さんが参加する場合としない場合があります。参加しない場合は、お布施とは別に「御膳料」をお渡ししましょう。

会食の席でも、開始と終了のタイミングで施主が挨拶します。最後に参列者に引き出物を渡して散会です。

四十九日法要での施主の挨拶については、以下のページで例文も含めて詳しく紹介しています。
四十九日法要の挨拶とは?|場面ごとの挨拶例文を紹介

 

四十九日法要の服装・持ち物のマナー

四十九日法要の服装・持ち物のマナー

四十九日法要は弔事の中でも重要な儀式ですので喪服の着用が基本です。喪主や遺族と参列者に分けて服装・持ち物のマナーを解説します。

 

喪主・遺族の服装・持ち物のマナー

喪主や遺族は正喪服を着用するのが正式なマナーですが、最近は葬儀の簡略化が進行しています。家族葬など少人数で行うのであれば略礼服でもかまわないでしょう。

男性はブラックスーツに白のワイシャツ、黒のネクタイが基本です。女性の場合は黒のワンピースやアンサンブルを着用します。光沢のあるアクセサリーの着用は避けるようにしましょう。

家族だけで法事を行う時の服装マナーについては以下の記事で詳しく解説しています。
家族のみで行う法事の服装マナー【女性、学生、子どもの場合など】

 

参列者の服装・持ち物のマナー

参列者の服装も遺族側の服装マナーに準じます。ただし、喪主の服装の格を超えないように配慮しなければなりません。

法要の案内に「平服でお越しください」と書かれている場合は、ダークカラーのスーツを着用しましょう。「平服」は決して普段着ではなく、本来の正式な礼装でなくてもかまわないという意味です。

法事に参列する時の服装やその他のマナーについては以下の記事で詳しく解説しています。
法事に参列する際のマナーとは?|法要との違いや法事の種類についても解説

 

四十九日法要後にやるべきこと

四十九日法要後にやるべきこと

四十九日法要を終えると、香典返しを送って葬儀後の葬送儀礼は一段落です。四十九日の後に行うべきことには以下のようなものがあります。

  • ・香典返し
  • ・百箇日法要(ひゃっかにちほうよう)
  • ・月忌法要(がっきほうよう)
  • ・年忌法要(ねんきほうよう)

香典返し

浄土真宗以外の仏教では四十九日の法要の後に、香典をもらった方に対して香典返しを渡します。
香典返しには、香典をもらったことへのお礼と生前お世話になったことへの感謝に加えて、無事に法要を済ませたことの報告の意味もあります。

浄土真宗の場合は、忌明けという考え方がないので葬儀後1カ月程度をめどに香典返しを送るのが通例です。

葬儀の際に香典を辞退していた場合、もちろん香典返しは必要ありません。

香典返しについては以下の記事でも詳しく解説しています。
家族葬での香典返しはどうすればいい?ケース別の対応を詳しく解説

 

百箇日法要

百箇日法要は、亡くなって100日後に行われる法要で、「卒哭忌(そっこくき)」との別名があります。卒哭忌とは「泣き叫ぶ(哭)」ことから卒業するという意味です。

通常ごく身近な親族のみが自宅に集い、お坊さんにお経をあげてもらいます。最近では省略されるケースも多いようです。

 

月忌法要

月忌法要とは毎月の命日(月命日)に行う法要で、お坊さんに読経をしてもらいます。通常は家族のみでこぢんまりと行います。

 

年忌法要

年忌法要は毎年の命日である祥月命日(しょうつきめいにち)に行われる法要です。
特に亡くなって1年後に行われる一周忌、2年後の三回忌、6年後の七回忌は親族を招いて大規模に催されます。

 

四十九日法要にかかる費用

四十九日法要にかかる費用

四十九日法要にかかる費用について解説します。ここで解説している以外に、お墓や仏壇を新たに購入する場合はそれらの費用も別途必要です。

 

お布施

読経への謝礼としてお坊さんにお布施を包みます。四十九日法要のお布施の金額は3万円~5万円が相場です。

もう一つの考え方として、葬儀のお布施の10%程度の金額をお渡しするという考えがあります。葬儀のお布施は20万円~50万円程度をお渡しすることが多いので、この場合もおおむね2万円~5万円になります。

葬儀の時にさらに高額のお布施を包んでいた場合は、これよりも少し多めの金額にするとよいでしょう。
お布施とは別に、御車代と御膳料が必要となるケースもあります。

御車代は交通費です。菩提寺で法要を行う場合は必要ありませんが、自宅や葬儀会館に来てもらう場合はお渡しします。

御膳料はお坊さんに会食に参加してもらう場合は必要ありませんが、そうでない場合は御膳料か折詰の弁当をお渡ししましょう。

御車代と御膳料は、どちらも5,000円~1万円が目安です。
仏壇の開眼供養や納骨式をする場合は、少し多めにお布施を渡す必要があります。

 

会場使用料

自宅以外で法要を行う場合は、会場の使用料が発生します。主な会場としては、葬儀会館やホテル、菩提寺などがあります。金額は使用する会場によってさまざまで、2万円~15万円程度です。

 

会食

会食の費用は一人当たり3,000円~1万円程度が目安です。料理をふるまうのではなく、折詰弁当などを持ち帰ってもらう場合はもう少し費用を抑えられます。

 

引き出物

法要の後に会食をする場合は2,000円~3,000円、しない場合は3,000円~5,000円の品物を用意しましょう。

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四十九日法要は葬儀後の大事な一区切り

四十九日法要は葬儀後の大事な一区切り

四十九日の法要をもって故人は無事に成仏できます。残された遺族にとっても、喪に服する期間が終了し新しい生活に踏み出すための重要なセレモニーです。ともに故人を弔ってくれた親族をはじめ、知人・友人に感謝の意を表明する場でもあります。

四十九日の意味やマナーを把握して万全の準備を心がけましょう。

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