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孫でも葬儀に香典は必要?祖父母への香典の考え方を状況別に解説
葬儀に欠かせない香典ですが、祖父母の葬儀に孫として参列する場合にも香典を包む必要はあるのでしょうか?本記事では、孫として葬儀に参列する際の香典の考え方について、状況別に解説します。
記事の後半では祖父母の葬儀で包む香典の相場や包み方、そのほか皆さんからよくいただく質問にも回答していますので、ぜひ参考にしていただき、大切な祖父母のために万全の準備を整えましょう。
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目次
孫の立場で葬儀に参列する場合の香典の考え方とは?
ここでは、孫が香典を出す必要があるかについて状況別に解説します。孫の立場として祖父母の葬儀に参列する際、香典を包む必要があるかは孫の立場や状況によって異なりますので注意してください。
孫が未成年や学生の場合
孫が未成年や学生で親などから扶養されているのであれば、本人は祖父母の葬儀で香典を包む必要はありません。香典は、1世帯につき1つ用意するのが基本的な考え方です。そのため、香典は世帯主である親が代表して用意します。
仮に、未成年の孫が既に就職している場合でも、基本的に本人は香典を包まず親が用意します。どうしても香典を包みたい場合は、親の用意する香典と一緒にまとめるのがよいでしょう。この時、表書きの名前は親と孫の連名としておきます。
孫が成人して就職している場合
孫が成人して就職している場合は、親とは別に香典を包む必要があります。孫個人として安定した収入がある場合は、独立しているとみなされるためです。ただ、就職しているからといって経済的に厳しい状況であれば、無理に香典を包む必要はありません。このような場合は、親などと相談するとよいでしょう。
孫が祖父母と同居していた場合
祖父母と同居していた孫は、これまで解説した2つの状況と違って葬儀の主催側となり、香典を受け取る立場にあります。そのため、香典を用意する必要はありません。
一方、祖父母と同居していたとしても、親以外が喪主を務めるのであれば香典を包む必要が出てきます。また、孫が結婚しているのであれば香典を包むことがありますので、親などと相談のうえ判断するとよいでしょう。
孫として包む香典の相場は?
続いて、孫が祖父母の葬儀で包む香典の金額相場について解説します。孫の包む香典金額は、本人の年齢によって異なります。例えば20代では5千円から1万円程度、30代から40代では1万円から2万円が相場となっており、孫の年齢が上がるにつれて香典の金額も増える傾向です。
20代 | 30代~40代 | 50代~ |
5千円~1万円 | 1万円~2万円 | 2万円~4万円 |
【参考】「香典に関するアンケート調査(令和3年度) 集計結果」(全日本冠婚葬祭互助協会)
孫として香典を包む際のマナー
続いて、孫として祖父母の葬儀に香典を包む際のマナーを解説します。香典にはいくつか押さえておきたいポイントがありますので、失礼にあたらないよう配慮しましょう。
適切な香典袋を選ぶ
香典を包む香典袋にはさまざまなデザインが存在し、葬儀の宗教や宗派によって適切なものが異なります。親に尋ねるなどして事前に宗教・宗派が確認できるのであれば、それに適した香典袋を選びましょう。
もしわからなければ、全ての宗教共通で使える香典袋を使用します。香典袋の包みが白い無地で、水引が白黒や双銀の結び切りとなっているものは、ほとんどの宗教・宗派で使用可能です。
<宗教別に見る適切な香典袋のデザイン>
宗教 | 香典袋のデザイン |
仏式 | ・包みは白色の無地、または蓮の花が描かれたもの ・水引は白黒、または双銀の結び切り |
神式 | ・包みは白色の無地 (なお、蓮の花が描かれた包みは仏式用なので神式の葬儀には使わない) ・水引は白黒、または双銀の結び切り |
キリスト教式 | ・包みは白色の無地、または百合の花や十字架が描かれたもの ・水引は基本的に不要 |
外袋に適切な表書きを記入する
外袋には、宗教や宗派別に適した表書きを記入します。仏式の場合、死後四十九日の間、人は霊として存在するとの考えがあり、通夜や葬儀に持参する香典には「御霊前」の表書きが用いられます。ただし浄土真宗では、人は死後すぐに成仏するとの考えから「御仏前」の表書きが用いられるため注意しましょう。
神式では「御榊料(おんさかきりょう)」や「御神前」といった表書きが使われます。キリスト教式の場合は「御花料」が基本的な表書きですが、カトリックでは「御ミサ料」を使っても問題ありません。
全ての宗教・宗派で使える表書きには、「御香料」や「御香典」が挙げられます。表書きに迷う場合には、これらを用いるとよいでしょう。
お札は新札以外を包む
香典には、できるだけ新札以外を包みます。新札を包んでしまうと、受け取る側に「不幸のために事前に準備していた」と思われ、不快な気持ちにさせる可能性があるためです。仮に、手持ちに新札しかない場合は、お札に折り目をつけてから包むことで遺族に配慮できます。
香典は袱紗(ふくさ)に包んで持参する
お金を包んだ香典は、必ず袱紗に包んで葬儀に持参します。香典をそのままカバンやスーツの胸ポケットに入れて持ち運ぶ行為はマナー違反にあたりますので避けてください。
袱紗には香典の外袋が汚れたり水引が崩れたりするのを防ぐ役割があります。遺族に綺麗な状態で香典をお渡しするためにも、必ず袱紗を用いましょう。
よくある質問
最後に、祖父母の葬儀に孫が香典を用意することに関してよくある質問に解答します。
香典の受け取りを辞退された場合はどうすればよい?
香典の受け取り辞退を伝えられているにもかかわらず、香典を渡すことはマナー違反です。無理やりに渡すような行為は控えましょう。このような場合には、香典の代わりに供物を送ることでお悔やみの気持ちを表せます。
供物には、故人の好きだった食べ物のほかろうそくや線香を送るのが一般的です。故人がお花好きだった場合は、供花を送るケースもよく見られます。
孫が複数いる場合、香典はどうすればよい?
孫が複数人いる場合は、それぞれが香典を少額ずつ出し合い連名で包むこともできます。この時、外袋の名前は「孫一同」とするか、3名以下の場合は全員の名前をフルネームで記載します。もちろん、孫それぞれが1つずつ香典を準備しても構いません。
遠方にいて祖父母の葬儀に参列できない場合は?
どうしても避けられない事情などで葬儀当日に参列できない場合は、香典を郵送することで弔意を示せます。香典の郵送には現金書留を用いる必要がありますが、香典袋に包んだお金を現金書留用の封筒に入れて、郵便局の窓口に持ち寄ることで手続き可能です。
郵送で香典を送る際は香典だけではなく、お悔やみの気持ちや葬儀欠席へのお詫びの気持ちを示す手紙を添えて送るとよいでしょう。なお、香典のような金銭を普通郵便で送る行為は郵便法で禁止されていますので、香典は必ず現金書留を用いて送ってください。
大切な祖父母の葬儀には必要に応じて香典を
本記事では、祖父母の葬儀に孫として参列する際の香典の考え方について状況別に解説しました。孫がどういった立場にあるかによって、香典の要否は異なることを認識しておきましょう。また、香典を用意する際に注意したいマナーもご紹介しました。
香典には細かなルールがありますが、それらを守って香典を準備することで、受け取る側に丁寧な印象を与えられます。祖父母とのお別れの時間となる葬儀では、感謝の思いを示すためにもポイントを押さえてきちんと香典を用意しましょう。