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葬儀でもらう供花のお礼はしたほうがいい?返礼品とお礼状のマナー
葬儀ではさまざまな方から香典、供物、供花、弔電などをいただきます。供花や供物、弔電に関してお礼をするべきなのか、しなくてもよいのか迷う方も多いのではないでしょうか。また、お礼をする場合にはどのような品物を贈ればよいのかわからない方もいらっしゃると思います。
そんな方のために、本記事では葬儀でいただいた供花や弔電のお礼に関するマナーを解説していきます。
\ お葬式の事が気になりはじめたら /
目次
供花や弔電のお礼はするべきなのか
葬儀の際の供花は、故人の供養のためにお供えし、祭壇や葬儀場を華やかに飾る役割があります。供花は贈り主からの弔意の気持ちで出すため、お礼は不要と考える地域もあるようです。
ただ、弔事に関しては地域によってさまざまな習慣や考え方があります。
基本的には、返礼品は辞退するとの申し出がない限りは、遺族としては故人の葬儀のために出していただいたものに対してのお礼は行ったほうがよいでしょう。辞退された方に対してはお礼状だけでも送ると感謝の気持ちが伝わります。
その地域の習慣がわからない場合には、葬儀社のスタッフなどに確認すると安心です。
葬儀に参列した方から供花をいただいた場合
葬儀の参列者から、香典に加えて供花もいただく場合があります。この場合には、香典の金額と供花の金額の合計の3分の1から半額程度の金額の品物をお返しします。香典返しとして後日お送りする形で問題ありません。
返礼品を送るタイミングとしては、忌明けの四十九日を目安にお礼状をつけてお送りするのがマナーです。
葬儀に参列できなかった方から供花や弔電をいただいた場合
葬儀に参列できなかった方から、香典の代わりに供花をいただく場合もあります。また、代理人を通じて香典と供花をいただくケースもあります。弔電は基本的には葬儀に参列できない方からいただくもので、弔電のみの場合と、弔電と香典どちらもいただく場合があります。
葬儀に参列できなかった方から香典・供花・供物・弔電などをいただいた場合には、葬儀後1週間を目安にお礼の手紙やお礼状をお送りするのがマナーです。葬儀が終わってから時間が空きすぎてしまうと、きちんと届いたのか相手の方が不安になってしまいます。お礼状が難しい場合には、まずは電話やメールでいただいたことに対するお礼、御霊前に飾らせていただいたことなどを報告するのがよいでしょう。
返礼品を送る場合には、忌明けの四十九日を目安に総額の3分の1から半額程度の品物とお礼状を併せて贈ります。
弔電は、供花や供物ほど高価ではありませんので、基本的には葬儀の1週間後に送るお礼状のみで問題ありません。
葬儀のお礼状については以下の記事で詳しく解説しております。 葬儀のお礼状の書き方とは?すぐに使える文例、押さえたい基本マナー |
供花のお礼で贈る品物
供花のお礼で贈る品物には、適しているものと失礼になってしまうものがあります。どのような品物をお贈りするとよいのか紹介します。
返礼品として適している品物
弔事の品物は「不祝儀を残さないように」「悲しみや不幸を消す」という考え方から、後に残らない「消えもの」をお贈りするのが一般的です。お茶・のり・お菓子などの食品や、タオル・石鹸・洗剤などの消耗品がよく選ばれています。近年ではカタログギフトも人気です。こういったものが弔事用の返礼品としておすすめされるのには、実はさまざまな理由があります。
カタログギフトは、金額によっていろんな種類のカタログがあるため、多数の方に金額が違う品物を贈り分ける必要がある場合、品物を選ぶ手間を簡略化することができます。
お菓子など個包装になった品物の詰め合わせは、会社の方など複数人から供花をいただいた場合などのお礼に便利です。
お茶は昔、お坊さんが仏壇にお茶を供えていたことから仏教との関係が深いとされています。また、お茶には境界を区切る意味があることから、故人をあの世に送り出してお別れすることを表すため、今も弔事の返礼品の定番として選ばれています。
洗剤や石鹸には「健やかに過ごす」「不幸を洗い流す」という意味があるので、弔事のお返しに適しています。また、長期保存が可能なので、あらゆる世代の方に重宝されます。
弔事の返礼品として贈るのがタブーな品物
贈る相手の好物だとしても、弔事の返礼品には避けたほうがよい品物もあります。
「四つ足生臭もの」と呼ばれる生ものは弔事の返礼品で避けた方がよいとされています。四つ足は四つ足で歩く動物、牛や豚の肉のことで、生臭は魚の生臭いにおいのことを指しています。殺生を連想させるものは弔事の時は避けたほうがよいとされていることに加え、痛みやすいということも理由として挙げられます。
また、お酒や昆布・鰹節も慶事で使われることが多いので避けられています。ただし、最近では自由葬や身内だけの家族葬も増えたことで気にしない方も増えているようです。故人が好きだったという理由でお酒を贈る方もいます。
しかし、伝統や風習を気にされるような方や年配の方への返礼品としては避けた方が無難かもしれません。
返礼品につける掛け紙(のし紙)や表書きの書き方
のし紙の「のし」とは本来、あわびを薄くのばして乾燥させた「熨斗鮑(のしあわび)」のことを指します。熨斗鮑はかつて縁起物とされ、贈答品に添えられていました。
現在では、この熨斗鮑がイラスト化されて、ご祝儀袋や慶事に使うのし紙の右上に描かれるようになりました。一般に「のし紙」といわれるものは、のしのイラストと水引が印刷されたものを指します。
香典返しは弔事なので、のしが描かれていないものを使います。そのため、正しくは「掛け紙」といいます。
返礼品の掛け紙・水引はどうすればよい?
現在では掛け紙に印刷された水引が一般的ですが、略式なので本物の水引を使うのが最も丁寧です。
水引は「黒白(5本)結び切り」 が一般的ですが、関西〜西日本や北陸地方など一部地域では「黄白(5本)結び切り」の水引が使われることもあります。
結び切りとは「本結び」のことです。本結びは一度結ぶと引っ張ってもほどけないさまから「二度と繰り返さない」「一度きり」という意味があり、弔事以外にも繰り返すと良くない結婚やお見舞いなどにも使われます。
また、結び切りと同じようにほどけにくい「あわじ結び」が使われることもあります。あわじ結びも弔事、慶事どちらにも使えます。
返礼品の表書きの書き方
仏式では表書きは「志」や「粗供養」とするのが一般的です。しかし、地域や宗教などによって異なり、関西地方〜西日本では「満中陰志」や「粗供養」と書く地域もあります。中国地方、四国地方、九州地方の一部地域では「茶の子」と書くこともあります。
また「茶の子」は、地域によっては葬儀当日にお返しする「会葬返礼品」や香典返しを当日に行う「即返し」の品物の意味で使われる場合もあります。
水引の下には贈り主の名前を書きます。名前の記載の仕方は、大きく分けて喪家名、喪主名(フルネーム)、連名、旧姓での書き方があります。故人と施主が同じ苗字の場合、香典返しは「◯◯家」のように喪家の苗字+家で名前を記載することがほとんどです。
例えば喪家名が佐藤だった場合、「佐藤家」と書くのが一般的です。
また、亡くなった故人と喪主の苗字が違う場合には、故人の苗字で「〇〇家」とすることが多いです。
受け取る相手にとってわかりやすい名前の記載にしましょう。
返礼品の用意の仕方とお礼状の例文
返礼品やお礼状はどこで用意できる?
弔事のお礼状は、手書きで自分で書くのが最も丁寧ですが、印刷されたものをお送りしても失礼にはなりません。品物とセットになっているものを選ぶ方法と、お礼状だけを別で作成する方法の2つの選択肢があります。
香典返しなどの返礼品を取り扱っている店では、お礼状もセットで用意してもらえることが増えています。返礼品はWEBサービスや通販、ギフトショップや百貨店で手配することができます。葬儀社で手配することができる場合もあります。これらは、品物と一緒にお礼状もつけてもらえることが多いです。
ギフトショップや百貨店は香典返しなどに慣れていますので、いろんなお礼状の例文があったり、ハガキやカードタイプ、奉書紙タイプなど豊富な種類のお礼状が用意されていたりすることが多いです。
店員さんに直接相談しながら、品物やお礼状のパターンを決められるので安心感があります。
一方で、お礼状のみを用意したい場合には、WEBサービス、郵便局、印刷業者などでお願いすることもできますし、自分で用意することも可能です。
お礼状を書く際の注意点
一般的に、弔事のお礼状に句読点は使いません。これは文章が途切れる句読点を使わないことで、葬儀や法事が滞りなく済むようにとの意味が込められているという説があります。
もともと書状には句読点を用いないため挨拶状にも用いない、という説も有力です。句読点をつけても大きな問題はありませんが、なるべく避けたほうが無難でしょう。
また、忌み言葉も使わないようにしましょう。「重ね重ね」や「わざわざ」「さまざま」といった同じ音を繰り返して使う、重ね言葉は忌み言葉とも呼ばれます。悪いことが繰り返さないようにという意味で重ね言葉は避けられています。
お礼状の例文
返礼品も一緒に贈る場合の例文
謹啓 |
お礼状のみの場合の例文
拝啓 このたび 葬儀に際しましては ご丁寧な弔電ならびにご鄭重なご厚情を賜りましたこと 心より御礼申し上げます また生前についても 故人への多大なるご交誼を賜りましたこと 故人に成り代わりまして感謝申し上げます お陰様をもちまして無事に葬儀を済ませましたのでここにご報告させていただきます 本来ならば直接お会いして御礼申し上げるべきところですが 書中をもってご挨拶にかえさせていただきます 敬具 令和〇年〇月〇日 喪主 〇〇〇〇 外 親族一同 |
葬儀に供花をいただいた場合にはお礼をしましょう!
葬儀でいただいた供花にはお礼をしなくてもよいとする説もありますが、お礼を辞退された方以外にはできる限りお礼をするようにしましょう。辞退された方にはお礼状だけでもお送りすると感謝の気持ちが伝わります。
お礼状と一緒に品物をお贈りする場合には、弔事に適したものとそうでないものがありますので、失礼のないように確認してから選ぶのがポイントです。
故人との生前のお付き合いや心遣いに対して感謝の気持ちをしっかりと伝えられると、今後のお付き合いもスムーズになります。