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家族葬での香典返しはどうすればいい?ケース別の対応を詳しく解説

家族葬での香典返しはどうすればいい?ケース別の対応を詳しく解説

最近の家族葬では、香典を辞退するケースが増えています。いざ自分が家族葬を執り行う場合、香典の扱いをどうすればいいのか判断に迷うこともあるかもしれません。

本記事では、家族葬でなぜ香典を辞退するケースが増えているのか、さらに香典返しをする場合どんなことに注意すればいいのかについて詳しく解説しています。ぜひ実際に葬儀を行う際の参考にしてください。

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香典と香典返しの意味

香典と香典返しの意味

香典とは、亡くなった人のご霊前に供える金銭や品物のことです。

香典の由来にはさまざまな説があります。かつては人が亡くなると夜を徹して付き添い、ろうそくと線香を絶やさないようにしていました。お香には邪気を祓う(はらう)浄化能力があると考えられていたためです。

この線香を近所の人たちが持ち寄って供えていたのが始まりです。それが明治以降、線香を購入する代金にしてもらうために「お香典」という名で金銭を包む形態に変化していったとされています。
それとともに、遺族にとって負担の大きい葬儀費用の一部にしてほしいという意味合いも生まれました。

香典返しは、心遣いをしていただいた香典への感謝とともに、一連の弔事が滞りなく終了したことを報告する意味も兼ねています。

 

家族葬では香典を辞退することが多い

家族葬では香典を辞退することが多い

最近の葬儀、特に家族葬では香典を辞退するケースが増えています。大阪をはじめとする関西地方ではさらにその傾向が顕著です。香典を辞退する理由としては、以下のようなことが考えられます。

 

香典辞退の理由①:参列者・葬家の双方の金銭的負担を減らしたい

葬儀に参列することは、参列者にとって時間的にも金銭的にもかなりの負担です。なかには遠方から駆けつけてくれる参列者もいます。葬家としてはなるべく参列者の負担を減らしたいとの思いから香典を辞退することが多いようです。
また、参列者だけでなく葬家の側にとっても香典返しは大きな負担となります。

 

香典辞退の理由②:虚礼にとらわれない小ぢんまりとした葬儀をしたい

家族葬で、ごく親しい身内だけで「形式にとらわれずゆっくりと故人を見送りたい」とする考えが増えているようです。その一環として「香典」という当たり前のように行われる風習にとらわれず、心から故人を悼む葬儀が主流になりつつあります。

 

香典辞退の理由③:お互いに香典を廃止したい

かつて参列した葬儀が香典辞退だったので、逆に自分が葬家の場合も辞退しなければならないと考える人もいます。また今後の付き合いを考えて、当たり前のようになっている香典をお互いに廃止して双方の負担を減らしたいとの思惑もあるようです。

 

香典辞退の理由④:故人の意思を尊重したい

最近では終活が盛んになり、亡くなる前に自分のお葬式やお墓についての要望をあらかじめ表明する人が増えています。特に葬儀については「できるだけ簡素にしてほしい。香典も辞退したい」と希望する人が増加傾向です。

 

香典返しを渡す時期

香典返しを渡す時期

香典返しを送るタイミングについては2通りあります。それぞれの送る時期について詳しく解説します。

 

香典返しには「即返し」と「後返し」がある

従来の葬儀では、忌明けである四十九日法要を過ぎて1カ月以内を目安に香典返しを送っていました。これを「後返し」といいます。それに対して最近では、お通夜やお葬式の当日にお返しする「即返し」(または「即日返し」「当日返し」など)が増えています。

 

なぜ即返しが増えたのか?

かつてはお通夜やお葬式に参列した人の多くは四十九日の法要にも訪れていたので、葬儀への参列のお礼を四十九日の法要の場で済ませていました。しかし現代では四十九日の法要はごく親しい親族だけで行うようになり、香典返しは手渡しではなく郵送するケースがほとんどです。
さらに郵送の手間を省くために、葬儀当日に渡す即返しが増えたと考えられています。

香典返しを渡す時期については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
葬儀の香典返しはいつまでに送る?時期や金額の目安、基本マナー

 

家族葬では即返しと後返しのどちらがいい?

家族葬では即返しと後返しのどちらがいい?

それでは即返しと後返しのどちらにすればいいのでしょうか。
それぞれのメリットとデメリットを比較検討したうえで決めるとよいでしょう。

 

即返しのメリットとデメリット

葬儀の当日に香典返しを渡す場合、後日あらためて訪問して渡したり送ったりする場合に比べて手間が大幅に軽減されます。

デメリットは、香典をいただく人数と金額がわからないことです。
何人から香典をもらえるかわからないので、香典返しの品をいくつ用意するべきかは難しい問題です。用意した数が少なければ失礼にあたりますし後日送る手間が増えます。逆に多すぎれば、余った分は無駄になってしまうでしょう。

また通常即返しの場合は、同じ金額の品物を用意します。家族葬では多くの場合、3,000円程度です。香典返しはもらった香典の半額から1/3程度の金額を返すのがマナーとされていますが、高額の香典をもらった場合は不十分となる場合があります。この場合は後日差額分の香典返しを再度送ることをおすすめします。

 

後返しのメリットとデメリット

後返しのメリットは、香典をもらった数だけ用意すればいいので品物の無駄がないことです。また後返しでは、もらった人にふさわしい品物を選べます。

ただし香典をもらった人のリストを整理しそれぞれの住所あてに品物を送付するのは、遺族にとっては大きな負担です。

 

香典返しの品物・相場

香典返しの品物・相場

香典返しの品物は「消えもの」を送る

返礼品にも弔事特有のマナーがあります。「不幸が後に残らないように」という意味で「消えもの」と呼ばれる、使ってなくなってしまう消耗品を選ぶのが一般的です。

返礼品の例としては、石鹸・洗剤、タオル、お茶、海苔、お菓子などが挙げられます。近年では、送られた人が自由に選べるカタログギフトも増えているようです。

 

香典返しの金額は半返しが基本

香典返しは、いただいた金額の半額~1/3を返す「半返し」がマナーとされています。
ただし即返しの場合は金額にかかわらず、2,000円~3,000円の品物が一般的です。
高額の香典をもらった場合は、後述するように後日追加で香典返しを贈る場合もあります。

香典返しの金額については以下の記事でさらに詳しく解説しています。
香典返しの金額の相場は?お返しするタイミングとマナーを解説

 

香典返しの基本マナー

香典返しの基本マナー

香典返しを送る際には、表書きやお礼状にも気を配らなければなりません。以下で詳しく説明します。

 

香典返しの掛け紙のマナー

香典返しの掛け紙は、黒白の水引を用います。ただし、関西地方の一部などでは黄白の水引を使用することもあるようです。

表書きについても、宗教・宗派や地方によって違いが見られます。

仏教では「満中陰志」と書くケースが多いようです。「満中陰」とは四十九日の忌が明けて無事に故人が成仏したことを指します。特に関西地方でよく使われる言葉です。それ以外には「粗供養」や「志」などが用いられます。浄土真宗では亡くなった人はすぐに極楽浄土に行くとの教えがあるので、満中陰志とは書きません。

神道やキリスト教では「偲び草(しのびぐさ)」と書かれます。さらに、キリスト教の中でもプロテスタントでは「召天記念」の表書きを使用することもあるようです。

「志」はどの宗教・宗派で使用しても問題ありません。迷った場合は志と書けば無難でしょう。

 

香典返しに添えるお礼状のマナー

香典返しを送る場合は、お礼状(挨拶状)を添えましょう。
お礼状の文章にも、弔事ならではのマナーがあります。

葬儀などのかしこまった式典で用いる文章では句読点を使用しません。古来正式な文章では句読点を用いなかったことと、式が滞りなく進行するようにとの願いからそのような慣習が生まれたとされています。

また「忌み言葉」とされる言葉は避けてください。不幸が連続することを思わせる「ますます」や「わざわざ」などの重ね言葉、不幸や凶事を連想させる「四」「九」「散る」「おしまい」などはマナー違反とされています。

葬儀のお礼状についての詳しいマナーや例文は以下の記事をご覧ください。
【葬儀の挨拶状について解説】そのまま使える例文も多数紹介

 

ケース別香典返しの対応

ケース別香典返しの対応

ここではさまざまなケースでの、正しい香典返しのマナーについて解説します。

 

後日の弔問で香典をもらった場合は?

葬儀の後に弔問に訪れた人から香典をもらうケースがあります。葬儀で香典を辞退していてもわざわざ香典を持参されたのですから、断るわけにはいきません。ありがたく受け取って、後日香典返しを渡すのがマナーです。現金書留などで香典が送られてきた場合も、同様に香典返しを贈りましょう。

 

会社や自治会からもらった香典のお礼は?

勤務先の会社や自治会などの組織から香典をもらう場合があります。
会社では、香典について社内規定で定められていることが一般的です。香典返しの受け取りを禁止しているケースも多く、お返しをする必要はないでしょう。

自治会・町内会にも慶弔に関する規定があります。会社の場合と同様に、お返しは不要です。
両者とも規定に基づいて出されています。一般の弔問客に対しては香典を辞退している場合でも、受け取らないとかえって相手方も対応に苦慮することになります。感謝の言葉を述べて受け取りましょう。

 

高額の香典をもらった場合は?

香典にはもともと遺族の今後の生活を支援するという意味合いもあったので、高額の香典をもらうケースもあります。香典返しの金額は半返しが基本ですが、高額の香典をもらった場合は半返しにこだわる必要はありません。例えば10万円の香典の場合でも、2万円~2万5,000円程度の品物を選べば十分でしょう。
即返しで3,000円程度の品物を渡している場合は、後日差額分に相当する香典返しを送りましょう。

 

香典返しを辞退された場合の対応は?

香典を渡す時に香典返しを辞退される方もいます。その時は基本的には香典返しは不要です。ただし、お礼状は送らなければなりません。

多額の香典をもらってお礼状だけでは不十分ではないかと気になるのであれば、その後のお中元やお歳暮を検討すればよいでしょう。

 

家族葬では香典の辞退が増加。ただし、受け取った場合は香典返しが必要

家族葬では香典の辞退が増加。ただし、受け取った場合は香典返しが必要

家族葬では香典を辞退するケースが増加しています。辞退するのであればもちろん香典返しは必要ありません。しかし香典をもらった場合は、香典の金額の1/3~1/2の金額に相当する品物をお返しするのがマナーです。

葬儀にまつわる慣習は時代や地域、宗教・宗派によってさまざまですが、どんな場合であっても心から感謝の気持ちを伝えることが大切です。

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