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家族葬の葬儀費用はどれくらいかかる?費用相場と内訳について
ここ数年、新型コロナウイルス流行の影響もあり、家族葬を希望される方が多くなってきました。その傾向は特に都心を中心に強くなっています。家族葬を経験した方も増えているのではないでしょうか。
では実際に家族葬を希望した場合、どの程度の金額で葬儀を行えるのでしょうか。
本記事では、家族葬の葬儀費用の相場とその内訳について解説していきます。
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目次
家族葬における葬儀費用の相場は?
家族葬を含めた平均の葬儀費用は、【2022年版】全国エリア別葬儀費用に関する調査によると約110万円です。新型コロナウイルスの影響もあり、お葬式をあげた人の中で半数以上が家族葬での葬儀を行ったということです。
家族葬でも一般葬と同様に、基本的には通夜・告別式を行いますが、通夜を省略し告別式のみを行う一日葬や、火葬場の炉前で簡単なお別れのみを行う火葬式、火葬のみを行う直葬も家族・親族だけで行えば家族葬ということになります。
通夜・告別式を行う形式の家族葬よりも、一日葬や火葬式・直葬で行う家族葬の方がより価格を抑えられる傾向にあります。
一般葬との違い
一方で、同じ調査では一般葬にかかった葬儀費用の平均は約191万円という結果が出ています。近年は一般葬でも通夜を省略し、告別式のみを行う一日葬を行う方も増えてきています。
家族葬と一般葬の違いについては以下の記事で詳しく解説しております。
家族葬と一般葬の違いは?どんな人に向いている?
家族葬の葬儀費用の内訳
前述した平均費用には、葬儀代金、飲食代、参列者への返礼品代が含まれています。
平均の内訳としては、葬儀代金が約75万円、飲食代・返礼品代が約11万円、お布施が約23万円となっています。
内容 | 家族葬の場合の相場 | |
葬儀代金 |
◎祭壇料 「◎」…選択内容によって変動する |
平均:約75万円 |
返礼品・飲食代など |
・会葬御礼品 |
平均:約11万円 |
宗教者への支払い | ・お布施 ・お車代 |
平均:約23万円 |
葬儀代金とは葬儀を行うにあたってかかる費用を指します。葬儀社やプランによりますが、祭壇料や棺、骨壺・骨箱、納棺花などはランクアップも可能です。
どのような部分が価格が変動する要素になるのかは下記を参考にしてください。
祭壇料
生花をどの程度使用した祭壇にするかで費用が変わります。
式場の利用料
家族葬専用ホールなど、いくつかの斎場をもっている葬儀社であれば使用する式場の広さで費用が変わります。通夜・告別式と二日間利用するのか、一日葬で1日のみの利用となるかでも異なります。
棺
桐のシンプルな棺にするのか、外側に布張りの装飾やデザインがある棺にするのかで費用が変わります。
骨壺・骨箱
シンプルな白い陶器の骨壺にするのか、九谷焼・有田焼など有名窯元の骨壺にするのか、高いデザイン性のある骨壺にするのかで費用が変わります。桐のシンプルな箱以外にも、布張りの骨箱もあります。
納棺花
セット料金に含まれている場合もありますが、お別れの際に入れてあげるお花をどれくらい用意するのかで費用が変わる場合があります。
寝台車・霊柩車(搬送料金)
亡くなった場所から安置場所へ移動する際の寝台車、安置場所から葬儀場まで、葬儀場から火葬場までの霊柩車は距離によって搬送料金が変わってきます。深夜料金がある場合もあります。
安置室使用料、ドライアイスなど
安置室などは日単位で使用料金が定められているところがほとんどですので、使用日数が長くなればなるほど料金は加算されます。また安置から火葬までの時間が長くなればなるほど、ドライアイスの使用量は増えます。
セットプランは個別に発注するよりも割引された価格を提示されていることがほとんどですが、祭壇や棺、骨壺などは最低限の品物で構わないと思っている方は、セットプランに何が含まれているのか確認するとよいでしょう。
飲食代や返礼品代は人数に応じて変動する部分なので、参列者が少ないほど抑えられます。
お布施は、家族葬でも一般葬でも基本的には変わりません。菩提寺によってはお布施の値段を明確化しているところもありますが、お寺と喪家の関係や戒名のランクによって支払う金額が変わる場合もあります。
通夜を行わない一日葬の場合には価格が下がることもありますが、お寺によっても方針が違います。
葬儀費用に関する注意点
家族葬では香典を辞退する遺族も多くいますが、辞退しなければならないというルールがあるわけではありません。辞退すれば返礼品などの手配は必要ないので、その分費用が抑えられるように感じるでしょう。しかし、香典収入もなくなりますので、その分葬儀費用を支払う際の持ち出しの金額は大きくなります。葬儀費用の支払いに関して不安がある場合は、香典を辞退するかどうかよく検討するとよいでしょう。
葬儀社から請求される費用の中にはお寺のお坊さんへのお布施は入っていません。お坊さんに読経を依頼するならば、お布施は告別式の前に渡すのが一般的ですので葬儀前に用意しておかなければなりません。
お布施をどの程度お渡しするのがよいのかは、地域・寺院・菩提寺との関係によって違います。いくらくらいの金額が適当なのか見当がつかない場合は、お寺に直接聞いても失礼にはあたらないので葬儀前に確認しておくとよいでしょう。
家族葬の葬儀費用を抑える方法はある?
家族葬は一般葬よりも費用が抑えられる傾向にあります。
ただし細かい確認や検討を怠ってしまうと、葬儀社のセットプランに希望していないものやサービスがついている場合もあり、一般葬と変わらない価格になることもあります。
費用を抑えるには実際どのような点を確認するとよいのでしょうか。詳しくみていきましょう。
葬儀社の事前相談サービスを利用する
今はほとんどの葬儀社で無料の事前相談サービスを行っています。事前に家族葬ではどんなセットプランがあるのか、どれくらいの費用がかかるのか、希望する葬儀ができるのかを事前に確認しておくとよいでしょう。
家族が亡くなってしまうと、事前にわかっていたとしても少なからず動揺したり悲しみの感情を抱いたりします。そういった中で一から葬儀社を探し、相談しながらプランを決めていくわけですが、正しい判断ができないこともあります。
まだ気持ちや時間に余裕があるときにさまざまな資料や情報を得て、検討しておくのがおすすめです。
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複数社の見積もりを取る
時間が可能な限り、複数社の見積もりを取ることをおすすめします。
急に家族が亡くなった場合などは複数社の話を聞くのはあまり現実的ではありませんが、基本的な家族葬プランでも葬儀社によって費用の違いがあります。葬儀社によってはいくつかの選択肢があったり、プランの中に含まれているものが違ったりするケースもあります。
遺族が不要だと思っても、セットプランの中に含まれているものを外して安くすることはできない場合がほとんどです。自分たちが不要だと思うものが入っていないか、納得できる価格であるのかは比較した方がよいでしょう。
参列者をはっきりさせる
家族葬は基本的には家族が参列を依頼した人以外は参列しません。何名まで、という決まりがあるわけではありませんが、参列者は30名以下の場合が多いようです。
一般葬であれば、実際に何名の方が参列するかわからないので、通夜振る舞いなどは想定人数よりも多めに手配をします。「足りないよりはいい」と思って多めに手配すると無駄が出てしまうこともあります(返礼品が品物の場合は余った分を返品できることが多い)。
その点、家族葬は参列者を遺族側で決められますので、しっかりと人数を把握することで、飲食代や返礼品の無駄を省けます。身内だけであれば気を張った食事内容にしなくてもよい場合もあります。通夜振る舞いや精進落としの席そのものを省略することもあります。
必要なもの・不要なものの検討をする
葬儀で使うものには、最低限必要なものとランクアップが可能なものがあります。棺を例に取ると、桐のシンプルな寝棺が最低限のものですが、内側に布が張ってあったり、外側がおしゃれな布張りで装飾されていたりする棺もあります。
故人が亡くなった直後は「最後だからいろいろとしてあげたい」「最後くらいは気持ちよく見送りたい」と思いがちですが、本当に必要であるかどうかを事前に冷静な状態で検討しておくと、実際に決める際に迷わなくて済みます。
香典を辞退しない
家族葬では香典を辞退する方も多いですが、辞退しなければならないというルールはありません。
一般葬であれば香典収入がありますが、家族葬で香典を辞退すると全て持ち出しで支払いをしなければならないので、その分金銭的な負担は大きくなります。
費用に関する不安があるのならば、香典は辞退せずに参列した方からいただく形を検討してもよいでしょう。
家族葬の葬儀費用にとらわれず、悔いのないお葬式を。
家族葬の葬儀費用の平均は110万円です(2022年時点)。高いと思うか安いと思うかは人それぞれですが、金額にとらわれすぎず、葬儀が自分たちの希望する内容になっているのか確認することは非常に重要です。
ご家族が亡くなってすぐの悲しみや動揺の中で、葬儀までの短い間に葬儀プランや細かい内容を決めなければいけないのは肉体的にも精神的にも負担になります。
家族葬は身内だけでゆっくりと故人を見送れるメリットがありますが、葬儀後に後悔をしないためにも葬儀社の事前相談を利用して、いくつかの葬儀社をよく比較検討しておくことをおすすめします。