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家族葬と言われたらどんな対応をするべき?参列や香典・供物の判断基準を解説
近年、新型コロナウイルス流行の影響もあり、都心を中心に家族葬を選択する方が増えています。葬儀を家族葬で行うと遺族から直接言われたり、他の方から聞いたりした場合はどのような対応をするのがよいのでしょうか。
本記事では、家族葬に参列してもよいか、香典・供物を送ってもよいかの判断基準を解説します。
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目次
家族葬と言われたら?
家族葬は「遺族から呼ばれた人のみが参列する葬儀」と考えるのがよいでしょう。参列者が30人以下の小規模な葬儀を指す場合が多いですが、明確な決まりがあるわけではありません。
家族葬だから身内の人しか参列できないというルールもありませんので、遺族が希望すれば友人・知人も参列が可能です。逆に言うと、故人と親戚の関係であっても喪主や遺族が「同居家族のみで行う」と決めればそれに従う必要があります。
家族葬については以下の記事でも詳しく解説しております。 家族葬とは?葬儀の流れや費用、参列者の範囲や会社への対応マナー |
親族・親戚の方の場合
親戚といっても故人の兄弟など近い関係にある方から、遠い親戚にあたる方までさまざまです。遺族から訃報を直接伝えられるのか、他の人から聞くのかによって親戚でも対応が変わってきます。
喪主や遺族から訃報を直接聞いた場合はお悔やみの言葉を伝えます。そして葬儀への参列を依頼された場合には極力日程を調整して参列するようにします。親戚であっても「同居家族のみで行うので参列は遠慮してほしい」と言われれば、遺族の意向を尊重しましょう。香典や供花などを出せるかどうか確認し、出せるようであれば手配をします。出せない場合には、後日お線香をあげに弔問に伺うとよいでしょう。
親戚であっても、喪主や遺族以外から故人の訃報や葬儀日程を伝え聞く場合もあるかもしれません。この場合、本来であれば遺族からの連絡を待った方がよいですが、通夜・告別式に参列するならば仕事などの調整が必要なケースもあります。少し様子をみて連絡がない場合には遺族に参列してもよいか確認するのがよいでしょう。遺族から連絡が来ないのは参列を遠慮してほしいからである場合もあるため、確認する際の言葉選びは慎重に行うようにします。
親戚以外の方の場合
親戚以外の方は、家族葬と聞いた場合には葬儀当日には参列しないのが基本のマナーです。ただし故人と交際していた、幼馴染であったなど、特別親しくしていた関係で参列したいと強く希望する場合には遺族に確認してもよいでしょう。ただし、遺族から断られてしまった場合には意向に従い、当日は参列を控えます。
逆に、親戚以外でも遺族から呼ばれて家族葬に参列することもあるでしょう。参列を依頼された場合には、極力スケジュールを調整して参列するようにします。
葬儀に参列したくてもできなかった方は、葬儀が終わって数日後の少し落ち着いたころ、遺族に「弔問に伺いたい」旨の連絡をして、日程を調整してもらいます。
親族・親戚、家族・身内、近親者の範囲とは?
民法上、親族とは「6親等内の血族と、配偶者および3親等内の姻族」と定められていますが、実際は家庭によって親戚付き合いの広さは違います。血縁が遠い親戚でも近くに住んでいるために親しくしている場合もあるでしょう。お葬式で血縁関係は重視されますが、親族全員に連絡しなければならない決まりはありません。
親戚が参列する家族葬であっても、普段の親戚付き合いをしている範囲に連絡をする形でよいのです。
「身内」という表現もありますが、どこまでの範囲の方が身内なのか決まったルールはありません。同居家族のみを身内と表現する場合もありますし、親戚の方も身内とする場合もあります。結婚して家を出たから「家族」からは離れた、と考える場合もあります。したがって、家族葬で「身内」のみ参列するといっても、その範囲は家庭や親族によってさまざまです。
「近親者」という表現には、血縁者以外にも親しい友人・知人が含まれます。
家族葬と言われた場合・聞いた場合の注意点
葬儀が家族葬で行われると知った場合には、基本的に他の方に伝えないようにします。ただし遺族から連絡を依頼された場合や、訃報が出されている場合を除きます。家族葬の場合、訃報を出した上で参列を断るケースもあります。喪主の意向によって、葬儀の参列者以外には葬儀後に訃報を伝える予定のケースが多くあるからです。
葬儀に対してはさまざまな考え方があるため、他の方が安易に伝えてしまうと「なぜ自分は参列してはいけないのか」と思う方とトラブルになることもあります。遺族が相手によって故人の訃報を慎重に伝えようと考えていることもあります。家族葬への参列を依頼されても他の方を誘わないようにします。もし、どうしてもという方がいれば必ず遺族に相談してからにしましょう。
家族葬に参列する場合
故人の親戚にあたる方や故人と親しくしていた方は、遺族から依頼されて家族葬に参列することもあるでしょう。この場合の適切な対応を解説していきます。
香典は持参するべきかどうか
家族葬では遺族のお返しの手間や参列者の負担を軽減させるため、香典を辞退しているケースが多くあります。しかし、必ず香典を辞退しなければいけない決まりはありません。香典を受け取る家族葬もあります。
訃報に明確に「香典辞退」「御厚志辞退」の文言がある場合は香典を受け取らないという意思ですので、持参しません。訃報に見当たらない、どちらかわからない場合には、念のために相場の金額を用意して持参するとよいでしょう。親戚からは受け取り、それ以外の方からは受け取らないといったケースもあります。当日、受付がなくどこに出せばよいかわからない場合は遺族に確認します。持って行ったけれども断られた場合には無理やり渡すことはせず、持ち帰るようにします。
供花・供物・弔電は送ってもよいかどうか
訃報に「御厚志辞退」の文言がある場合には香典の他に供花や供物、弔電も送れません。逆にその文言がない場合には、式に参列できなくても供花や供物を送れます。
供花は受け取るが供物は受け取らない場合には、個別に「御供物は辞退」の文言が入っています。家族葬では弔電のみ受け取ってもらえるケースもあります。
訃報を見て判断に迷った場合や、口伝えで訃報を聞いて対応がわからない場合には遺族や葬儀社に確認してみるとよいでしょう。
家族葬に参列しない場合
親戚、近所の方、故人と友人・知人の関係、会社関係など一般葬であればお通夜や告別式に弔問に行くような間柄であっても、遺族に次回お会いした際にお悔やみを伝えるだけでも家族葬の場合は失礼にはあたりません。
故人や遺族と親しくしていた、お世話になったといった関係で何かしたいと考える場合には下記を参考にしましょう。
安置場所へ訪問する
故人と特に親しくしていたけれども、葬儀には参列できない場合には、故人が安置されている場所(自宅や斎場の安置室)へ訪問し、火葬前に会うことも可能です。
ただし、これは血縁が近い方や故人と特に親しくしていてどうしても火葬前に最後に一目会いたい、かつ遺族の許可が下りた方のみと考えるとよいでしょう。大勢の方が訪問してしまうと、自宅に安置されていた場合などは遺族の負担となり、迷惑をかけてしまいます。自宅に遺体が安置されている場合は必ず遺族に許可を取ってから訪問します。葬儀社の安置室などに安置されている場合は、葬儀社に問い合わせましょう。
葬儀前に訪問する場合には、喪服は着なくても構いませんが、派手な色の服や肌の露出が多い華美な服装は避けます。
お悔やみの連絡をする
家族葬では香典や供花・供物・弔電を遺族が辞退するケースが多くあります。香典や供物を辞退されている場合、葬儀前にできることはあまりありません。関係にもよりますが直接お悔やみの連絡を入れてもよいでしょう。葬儀前の遺族は葬儀の準備で忙しく、気持ちの整理ができていないことも多いです。電話よりはメールやメッセージなどの方が相手のタイミングで連絡ができるので適しています。すぐに返信がなくても、催促はしないようにしましょう。
後日自宅へ弔問する
葬儀に参列できなかった場合は、後日自宅へ弔問へ行き、仏前にお線香をあげることは可能です。ただし遺族の都合もありますので突然伺うのではなく、必ず事前に連絡をし、日時の約束をしてから行くようにします。
葬儀の際に香典・供物を辞退されている場合は、後日の弔問でも受け取ってもらえない場合がほとんどです。遺族に何も伝えずに仏前に香典を置いていくのは、香典返しで遺族の対応が必要になってしまうためやめましょう。手ぶらで行くのは気が引ける場合には故人の好物やお線香など負担にならない程度の金額感のお供え物を持参し、「仏前にお供えさせてください」などときちんと伝えます。お返しなどは不要なことも併せて伝えてから帰りましょう。
香典や供物を送る場合の注意点
香典や供物を受け付けている家族葬であれば、香典を現金書留で送ることはマナー違反ではありません。葬儀前であれば葬儀場か自宅、葬儀後には自宅に送れます。葬儀前であれば葬儀に使う供花や盛篭などのお供え物も出せます。葬儀後であれば、故人の好物や進物用の線香・ろうそくなどを自宅へ送ってもよいでしょう。
遺族から葬儀に参列してほしいと声をかけられたものの、参列できずに代わりに香典や供物を送りたいと考えた場合には必ず郵送する前に確認をしましょう。断られた場合には、無理矢理送るのは配慮に欠けているのでやめるようにします。もし自宅付近に行くことがあれば寄らせていただき、お線香をあげたいと伝えればよいでしょう。
家族葬と言われたら、参列や供物は遺族の意向を尊重しましょう
家族葬に参列できるのは、基本的には遺族から参列を依頼された人だけです。故人と親しくしていたとしても、声をかけられなければ葬儀へは行けません。後日、弔問へ行ってもよいか確認を取るようにします。
家族葬だからといって香典や供花・供物を辞退しなければならないルールはなく、葬儀によって違います。辞退されている葬儀の場合は遺族の意向を尊重し、配慮を欠いた行動はしないようにしましょう。