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法事に持参するお布施の金額の相場は?包み方や渡し方のマナー

法事に持参するお布施の金額の相場は?包み方や渡し方のマナー

法事では、お坊さんへ感謝の気持ちを込めてお布施をお渡しします。初めて法事を行う場合、お布施の相場が気になるところです。

お坊さんに相場を尋ねると、「お布施は気持ちですので相場はありません」と言われることもあります。身近な人に尋ねると、数万円から10万円と金額に差があり、正しい金額を判断するのが難しいものです。

創業昭和30年。4つのお葬式ブランド「お葬式 天光社」「家族葬 千の風」「自由な家族葬 糸」「野々村葬儀社」で九州・関東・岐阜・関西を中心に51店舗を出店。時代に合ったお葬式サービスで年間4,000件以上の葬儀実績がある株式会社天光社が、法事でのお布施の相場について解説します。

本記事では、お布施の相場に加え、お布施の包み方やマナーについても解説します。記事を読むことで、適切なお布施の金額を知ることができ、安心して法事に臨むことができます。

お布施は本来、金額が決まっているものではありませんが、相場は存在します。時代に合わせた金額でお布施をお渡しするのがよいでしょう。

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法事やお布施に関する基礎知識

法事やお布施に関する基礎知識

お布施とは本来仏教において、自分の持っているものを「施す・分け与える」ことを指し、修行のひとつとされています。自分の金品を分け与える財施(ざいせ)、お坊さんが仏法を教える法施(ほうせ)、人々の恐怖心を取り除き安心させる無畏施(むいせ)の3種類があります。

現在、一般的に使われている「お布施」は、上記の中の財施を指し、感謝の心でお坊さんにお渡しするお金という意味です。お布施は直接的にはお坊さんにお渡しする形ですが、実際には菩提寺で祀られている仏様に捧げるものなので、「お布施は気持ちですから相場はありません」と言うお坊さんもいます。ただし、それでは困るという人も多いので、現在では読経料や戒名料に値段をつけて提示するお寺が増えているようです。

 

法事と法要の違い

「法事」と「法要」は、日本の仏教において行われる儀式や供養のことですが、言葉の指す範囲が異なります。

法要は、亡くなった人の冥福を祈って供養する仏教儀式のことで、お坊さんを自宅に呼んだり、遺族がお寺に出向いたりして、お経をあげてもらいます。

法事はお坊さんにお経をあげてもらう法要とその後の会食までを含めた言い方です。

 

お布施とは?

お布施はお葬式や法事の際にお坊さんに渡す金銭のことを指します。感謝の気持ちを表すために渡すので、基本的に金額に決まりはありません。ただし、宗派や地域、お布施を渡す場などによって金額の相場は異なります。不安な場合には、事前にお寺や葬儀会社に確認するとよいでしょう。

 

法事に持参するお布施の金額の相場

法事に持参するお布施の金額の相場

法事に持参するお布施の金額に決まりはありませんが、年忌法要は一般的に亡くなってから時間が経過するほどお布施の相場も下がっていく傾向にあります。宗派や地域でも違いがある場合がありますが、各法事の一般的なお布施の相場を紹介します。

 

初七日のお布施の相場は3万円~5万円ほど

初七日法要は、故人が亡くなった日から数えて7日目に行われる法要です(関西では亡くなった前日を1日目と数える場合もあります)

初七日法要の相場は宗派にもよりますが3万円~5万円です。最近では、葬儀の際に繰り上げて行うケースも増えています。葬儀当日に繰り上げ法要を行う場合には、お坊さんへお布施の袋を分けてお渡しするか、「初七日法要の分も入っております」と一言伝えるとよいでしょう。

葬儀当日に一緒に行わないケースでは、自宅にお坊さんを呼ぶ場合と遺族がお寺に出向いて行う場合があります。この場合、御膳料やお車料も必要であればお布施に含めたり、別に袋を用意して包んだりする必要があります。

 

四十九日のお布施の相場は3万円~5万円ほど

四十九日法要自体のお布施は3万円~5万円とされています。お寺以外で行う場合は交通費としてお車料も必要になりますし、法要の後の会食にお坊さんが参加しない場合には折詰めや、食事代として御膳料が必要になります。

四十九日法要は葬儀とは別に法要を行い、納骨式も併せて行うのが一般的ですが、親族が集まるのが難しい場合には告別式・火葬の後に初七日・四十九日法要を繰り上げて行い、納骨までその日に行うケースもあります。

もちろん、入るお墓がない場合やその他事情がある場合には四十九日法要で納骨せずに先に延ばすこともあります。

 

納骨のお布施の相場は1万円~5万円ほど

納骨時のお布施は1万円〜5万円とされています。四十九日法要と別日で納骨式を行う場合には、お布施は必要になると考えた方がよいですが、四十九日法要と同日で行う場合には、納骨式としてのお布施は必要ない場合もあります。

また、亡くなった故人がそのお宅での初仏となる場合には、新しく仏壇やお墓を用意し開眼供養を行う場合もあります。この辺りは、地域や宗派、お寺によって変わりますので、菩提寺に確認しておくとよいでしょう。

 

初盆・新盆のお布施の相場は3万円~5万円ほど

新盆の場合には3万円〜5万円程度が相場となります。地域によってはお盆後に新盆のお宅を集めて合同で施餓鬼(せがき)供養を行うお寺もあります。

その場合には、施餓鬼料として5,000円〜2万円程度を相場としたお布施をお渡しします。また、供養のための塔婆(とうば)などを依頼する場合にはその費用も別途かかります。塔婆料は2,000円〜1万円程度が相場ですが、塔婆料は金額がお寺ごとに決まっています。事前にお寺に確認しておくとよいでしょう。

また、お盆やお彼岸でお布施を渡す際には、他の家も同時に行いますので表書きに喪主の氏名や「〇〇家」など家の名前を書くようにしましょう。

 

お盆のお布施の相場は5,000円~2万円ほど

お盆にはお坊さんが自宅をまわって個別に読経をして供養をするお寺もありますし、個別にではなくまとめて合同供養を行う場合もあります。やり方によって相場は異なりますが、お布施は5,000円〜2万円程度が相場になります。

 

お彼岸にお坊さんを自宅に招く場合のお布施の相場は3万円~5万円ほど

初彼岸はお坊さんを自宅に招く場合と、お寺で行われる法要に参加する場合があります。自宅にお坊さんを招いて読経してもらう場合は3万円〜5万円ほどが相場で、お寺で行われる法要に参加する場合には3,000円~2万円程度が相場になります。

お彼岸は当家からの要望が無ければ、読経などは行わないというお寺もありますので、菩提寺に確認してみるとよいでしょう。

 

一周忌のお布施の相場は3万円~5万円ほど

一周忌は亡くなってから1年後に行う法要です。命日の当日に行えない場合は、命日より前の日程で家族や身内、お坊さんと日程調整をします。

一周忌法要のお布施の相場は3万円~5万円程度です。一周忌はお寺や自宅、ホテルやメモリアルホールを借りて行うこともできますが、お寺以外で行う場合には、お車代を5,000円~1万円程度用意します。車を喪主が手配した場合にはお車代は不要です。また、一周忌法要が終わった後には会食を行います。お坊さんが会食を辞退された場合には御膳料として5,000円~1万円程度、もしくは折詰めを用意します。

 

三回忌のお布施の相場は1万円~5万円ほど

三回忌は故人が亡くなってから満2年で行う法要です。一周忌の次の年が三回忌法要となります。
三回忌以降のお布施の相場は1万円~5万円程度になります。

 

七回忌のお布施の相場は1万円~5万円ほど

七回忌は故人が亡くなってから七年後に行う法要です。七回忌の相場は1万円~5万円程度とされています。七回忌以降は十三回忌、十七回忌、二十三回忌、二十七回忌、三十三回忌、三十七回忌、五十回忌まで続きます。ただし、三十三回忌以降は、故人を直接知る人が生存しなくなってきますので、三十三回忌もしくは十七回忌を弔い上げとする方が多いようです。

弔い上げの場合のお布施は3万円〜5万円ほど包み、永代供養をお願いする場合はお布施とは別に用意してお支払いします。

 

法事のお布施に関するマナー

法事のお布施に関するマナー

お布施を渡す際には、お金の包み方や渡すタイミングや渡し方などのマナーがあります。
どんな点に注意したらよいのかひとつずつ確認していきましょう。

 

お布施を包む際のマナー

お布施は奉書紙(ほうしょがみ、ほうしょし)か封筒でお金を包んで渡します。
どのような紙を使うのか、どのように包んだらよいのか解説していきます。

お布施の包み方(奉書紙を使う場合)

奉書紙とは和紙のひとつで、お布施を包む際には伝統的で、最もふさわしい方法とされています。奉書紙を使う場合には、先に半紙で現金を包んで中包みを作り、さらに中包みを奉書紙で包みます。
奉書紙は表と裏が決まっています。ツルツルしている面が表、ザラザラした面が裏になるように包みます。

【半紙を使った中包みの作り方】
まず半紙をひし形に広げ、お札を中央よりやや左側に来るように置きます。
次にお札の端に合わせるようにしながら、下・左・右・上の順番に畳めば完成です。

半紙を使った中包みの作り方

 

【奉書紙で上包みする方法】
最初に奉書紙を広げる際には、 包み終わった時に奉書紙の滑らかな表面が外側に見えるように、ザラザラとした裏面の上に中包みを置きます。そして、左、右、下、上の順に折り畳んでいくようにします。

奉書紙で上包みする方法

 

お布施の包み方(白封筒を使う場合)

奉書紙が用意できない場合は白い封筒でも構いませんが、簡易的な方法とされています。白い封筒を選ぶ場合には、郵便番号を記載する欄などがない無地のものが望ましいです。「お布施」や「御布施」と既に表書きが印刷されている封筒を使用するのもよいでしょう。この場合は中袋を使用せずに包み、封筒の裏面に住所や金額を記入するようにします。

表書きが印刷されておらず水引だけが印刷された香典袋もありますが、お布施には使いませんので注意しましょう。これは、当家にとって法要は弔事ですが、お布施はお経をあげてもらったことに対する御礼であって、お坊さんにとっては弔事ではないからです。

もし用意できない場合には、双銀や黄白で結び切りの水引の不祝儀袋であれば利用することもできますが、コンビニなどでもお布施袋は販売されていますので、なるべく無地のものを用意できるとよいでしょう。

ただし、お墓や仏壇の開眼供養などや、お年賀として年始の挨拶で持っていくお布施には紅白の水引がついたのし袋を使うケースもあります。地域によって習慣が異なるので、地域のマナーに合わせるとよいでしょう。

 

お札の入れ方

お布施を包む際には、まずお札の向きを揃えます。そして、お札の表側(肖像画が描かれている側)が中包みや白封筒の表側になるように入れます。香典の入れ方とは逆で、慶事の入れ方と同じです。

また、お布施はなるべく新札を準備するようにします。法要はあらかじめ日程が決まっていますし、お寺にとっては弔事ではないので、新札を用意するのがおすすめです。

もし新札を用意できなかったとしても、ボロボロのお札や汚れたお札はマナー違反になりますので、なるべくきれいなものを用意するようにしましょう。

 

お布施を渡す際のマナー

お布施を渡すタイミング

法要の際、お布施を渡すタイミングはいくつかあります。本来であれば事前にお寺へ出向いて渡すのが丁寧ですが、難しい場合は当日法要が始まる前に渡すのがよいでしょう。

法要後に会食があれば終わった後でも構いませんが、お坊さんをお見送りする前に渡します。もし会食を辞退された場合には法要が終わった時点で渡すようにします。終わった後に渡そうと思っていると、さまざまな方への挨拶もあるため忘れてしまいがちなので注意をします。

お布施を渡す際には、無言で差し出すのではなく、一言声をかけて渡すようにしましょう。法要が始まる前であれば、「本日はどうぞよろしくお願いいたします」「この度の法要をどうぞよろしくお願いいたします」などと言いながら差し出します。

また、終わった後であれば「本日はありがとうございました」「お布施でございます。どうぞお納めください」などと声をかけて渡すようにします。

 

お布施の渡し方

お布施を渡す際には、手渡しはせずに黒塗りの切手盆などの小さなお盆に乗せて渡すのがマナーです。切手盆とは金封を丁寧に差し出す時に使う小さいお盆のことです。お盆がない場合には、袱紗の上に乗せて捧げるようにし、手渡しは避けましょう。もし、菓子折りなどと一緒に渡すのであればその上に乗せて差し出しても構いません。

 

法事で持参するお布施の知識を身に付けて故人をしっかりご供養しましょう

法事で持参するお布施の知識を身に付けて故人をしっかりご供養しましょう

お布施は本来金額が決まっているものではありません。ただ、時代の流れとともに読経料や戒名料などとしての値段がついてしまい、相場があるのも事実です。不安な場合は、お坊さんに直接ご相談し、地域の慣習に詳しい方に確認してからお渡しするのがよいでしょう。

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