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家族葬を行う際の会社への対応とは?連絡の方法や香典について
葬儀に対する考え方や価値観の変化から、近年選ぶ人が増えている家族葬。故人の家族やごく親しい親族が参列する小規模なお葬式の形ですが、会社の方への対応はどうすればよいのでしょうか?
本記事では、連絡の方法や香典の受け取りなど、家族葬における会社への対応について解説します。記事の後半では、よくある質問にも回答していますので、ぜひ参考にして適切な対応を取りましょう。
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目次
家族葬に会社の方を呼ばなくてはならない?
家族葬とは、故人の家族や親族、ごく親しい友人・知人のみで行われる葬儀形式です。一般葬と違い参列者数が限られる家族葬には、費用や負担を軽減できたり、式前後での準備の手間を省けたりするメリットがあります。そのため、家族葬の場合は故人が会社勤めであったとしても、会社関係者を家族葬に呼ぶ必要はありません。
一方で、家族葬を行う場合でも、会社関係者への連絡は必ず行いましょう。故人が会社勤めであった場合、会社側は退職の手続きなど、社員の死亡にともなう手続きが必要になるためです。また、社会保険は死亡の翌日から5日以内、雇用保険は死亡の翌日から10日以内に届出が必要となります。会社側に迷惑をかけないためにも、故人の勤めていた会社へ速やかに連絡を入れましょう。
会社への連絡方法
続いて、会社への連絡方法や伝えるべき内容について解説します。
会社へ故人が亡くなったことを連絡する方法には、大きく分けて電話とメールの2種類があります。電話の内容やメールの書き方の例も紹介していますので、参考にしてください。
電話での連絡
訃報を伝える場合、電話が最も素早く確実に連絡できる方法です。
事前に伝えるべき内容を確認して、情報の伝え漏れがないようにしましょう。
<主な連絡内容>
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家族葬の場合は、葬儀形式を必ず伝えておきましょう。伝え漏れがあると、会社内で一般葬前提での準備が進んでしまうため注意が必要です。また、香典などの受け取りを辞退するのであれば、あわせて案内を連絡しましょう。
<電話で連絡する際の例文>
お世話になります。わたくし、御社の〇〇部でお世話になっている△△の妻・□□です。 このたび、××月××日に△△が亡くなりましたのでご連絡差し上げました。 生前のご厚志に心より感謝申し上げます。葬儀は●月●日に▽▽葬儀場にて執り行う予定ですが、社内への公開はお控えいただきますようお願いします。 なお、故人の遺志や家族の思いもあり、葬儀は家族葬にて執り行い、御香典や御供花につきましてもご辞退申し上げます。 今後何かありましたら、こちらの電話番号にご連絡いただければ幸いです。 突然のお電話失礼いたしました。 |
メールでの連絡
メール連絡は、大人数に一気に連絡したい場合に有効な方法です。また、内容を見返すことができるため、電話連絡をした場合でも覚え書きとしてメールを送っておくと安心です。伝える内容は、電話連絡の場合と変わりません。
<メールで連絡する際の文例>
株式会社〇〇 △△部 □□様 お世話になります。△△部に所属しております××の妻、●●です。 通夜:20◆◆年■月■日 なお、××の意思や家族の意向から、葬儀は近親者のみの家族葬で執り行う予定です。 何かありましたら、こちらの電話番号にご連絡ください。 以上、ご迷惑をおかけしますが何卒宜しくお願い申し上げます。 |
忌引き休暇に関する連絡
ご自身が会社員の場合、家族が亡くなった際は会社に連絡を入れて忌引き休暇を取る必要があります。連絡が必要なのは、主に以下の内容です。特に、自分と故人の関係は忌引き休暇の取得日数に関連しますので、必ず伝えてスムーズに忌引き休暇が取れるようにしましょう。
<主な連絡内容>
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<電話で連絡する際の例文>
お疲れ様です。○○部の△△です。 昨晩遅く、父の□□が亡くなりました。 つきましては忌引き休暇を×月×日から×日まで取らせていただきたく、宜しくお願いします。 こちらで必要な手続きがあればご教示ください。 また、現在私が受け持っている業務については、▽▽の対応をお願いできますでしょうか? 葬儀は□□の生前からの希望で、葬儀は家族葬で執り行う予定です。 参列や御香典などにつきましても、誠に勝手ながら辞退させていただきます。 何かありましたら、こちらの電話番号にご連絡いただければ幸いです。 以上、ご迷惑をおかけしますが何卒宜しくお願いします。 |
<メールで連絡する際の文例>
お疲れ様です。○○部の△△です。 また、葬儀の詳細についても以下の通りご連絡差し上げます。 通夜:20◆◆年■月■日 なお、××や家族の意向から、葬儀は近親者のみの家族葬で執り行う予定です。 そのほか何かありましたら、こちらの電話番号にご連絡ください。 以上、ご迷惑をおかけしますが何卒宜しくお願い申し上げます。 |
会社から香典を受け取った場合は
家族葬の場合は受け取りを辞退することも多い香典ですが、それでも香典を渡される可能性があります。そのような場合は、せっかくの気持ちを断ることはせず、ありがたく頂戴しましょう。続いて、会社から香典を受け取った場合の対応について解説します。
会社や社長名義のもの
会社や社長名義の香典は、会社の福利厚生費として経費に計上されることが大半です。
この場合は、香典返しの必要はありません。
また、慶弔金制度を導入している会社では不幸の際に弔慰金(ちょういきん)が渡されるケースもありますが、これに対してもお返しは不要です。
個人名義や連名のもの
会社の上司や職場の同僚など、故人から香典を受け取った場合は香典返しが必要です。いただいた香典の半分から3分の1の金額を目安にお返しの品を手配しましょう。
連名で香典をいただいた場合は、金額を人数で割った額の半分から3分の1を目安にしてください。なお、一人ひとりにお返しを用意するのが難しい場合は小分けにされたお菓子など、全員で分けられる品を代わりにお渡しするのもよいでしょう。
香典以外の品が送られてきた場合
香典以外にも、弔意を表す品として弔電のほか、果物や線香といった供物や供花が送られてくる場合があります。供花など現金以外のお供え物に対してはお返しは不要とする考えが一般的です。
一方で、明らかに高額な供花や供物をいただいた場合は、お返しをする場合があります。このときのお返しの相場は、香典の場合と同様にいただいた供物の半分から3分の1の金額を目安にしてください。
また、地域によっては供物に対してもお返しを送ることがあります。お返しの判断に迷う場合は、葬儀社や親族に相談するとよいでしょう。
よくある質問
最後に、家族葬を行う際の会社への対応についてよくある質問を紹介します。
会社の誰に連絡すればよい?
最適なのは故人の上司にあたる人物ですが、連絡先がわからない場合は会社の総務部に連絡しましょう。故人の名前や所属部署がわかれば、総務部から関係者へ伝達してもらえます。
また、自身が忌引き休暇を取る場合は、まずは直属の上司に連絡します。もし、上司から指示された場合は、総務部や事務へも連絡を入れましょう。
香典返しにはどのようなものを送ればよい?
香典を受け取った相手にお礼として渡す香典返しですが、「不祝儀を残さない」との考えから多くの場合、消耗品などの消え物が選ばれます。例えば、洗剤や石鹸、タオルなどの日用品や、コーヒーやお茶、海苔といった食品が定番の品として挙げられます。
いくら食品であっても肉類や魚類といった殺生を連想させる品は控えましょう。また、かつお節や昆布、お酒といった結婚式の引き出物などに用いられることの多い品も避けた方が無難です。最近では香典返しとして、相手が好きな商品を選べるカタログギフトを送ることも増えていますので、品選びに迷う場合はこちらを選ぶのもおすすめです。
会社の方から家族葬への参列を希望されたら?
家族や身内のみで行われる家族葬ですが、故人にお世話になった会社関係者などから家族葬への参列を希望されることもあります。そもそも、会社へ訃報を連絡する際に家族葬への参列をお断りする旨は伝えておくことがポイントです。
それでも希望される方がいた場合、基本的には参列をお断りして構いません。仮に一人でも参列を認める場合は、その他の希望者全員にも参列してもらうことになるため、慎重な判断が必要です。どうしても弔意を示したいという方がいれば、後日自宅へ弔問に来ていただくといった柔軟な対応を心がけましょう。
家族葬でも会社からの香典といった弔意にはしっかり対応を
今回は、連絡方法や香典を受け取った場合の取り扱い方法など、家族葬を行う場合に必要となる会社への対応について解説しました。家族のみで家族葬を行う場合でも、故人の勤めていた会社から香典を受け取ることが考えられます。大切な故人の仕事仲間から弔意を受け取った場合は、香典返しなどを送りマナーを守った対応をしましょう。