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直葬(火葬式)とは?費用や流れ、メリット・デメリットについて解説

直葬(火葬式)とは?費用や流れ、メリット・デメリットについて解説

近年は葬儀の簡素化に伴い、家族葬とともに直葬という葬儀の形態も増えています。費用をかなり抑えられるのが大きな魅力です。しかし、直葬は今までに行われていた葬送儀礼を極端に省略した形態です。事前によくその内容を把握しないと、後になって思わぬトラブルに発展し後悔する可能性も考えられます。

本記事では、直葬とはどんな葬儀なのか、その費用や流れについて解説します。検討する上で参考になるメリット・デメリットも紹介していますのでぜひ最後までご覧ください。

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直葬とは?

直葬とは?

直葬とは通夜式や告別式を行わず、火葬のみをする葬儀の形態です。「じきそう」または「ちょくそう」と読みます。火葬のみなので「火葬式」とも呼ばれます。

直葬という言葉は2000年頃から使われるようになりました。もともとは警察用語の、旅先などで行き倒れになった身元不明者をそのまま火葬場に送る「直送」が語源だという説があります。

2016年に公正取引委員会が行った調査では、葬儀業者のうちの26.2%が「直近5年間で増加傾向にある葬儀形式は直葬」と回答しました。

その後の新型コロナの感染拡大によって、さらに割合が増加していると考えられます。2023年に行われた別の調査では、首都圏で行われた葬儀の1/3が直葬でした。

調査の方法や地域によって数値は異なりますが、直葬が増えていることは間違いないでしょう。今後もさらに増加することが予想されます。

 

なぜ直葬が増えているのか?

なぜ直葬が増えているのか?

近年の流れとして葬儀の簡略化が理由として考えられます。直葬だけでなく家族葬も増加傾向です。むしろ一般葬よりも家族葬が葬儀形態の主流になっていると言えるでしょう。

また、今までの慣習にとらわれない世代が増加していることも原因のひとつです。かつてのお葬式は地域コミュニティに密着したものでした。隣近所の人たちが総出で葬儀のお手伝いをしていましたが、そのような風習はなくなりつつあります。今でも地方の農村部では地域ぐるみで葬儀を行う傾向がありますが、逆に人口減少で人手が足りないという問題を抱えているようです。

さらに近年の新型コロナの感染拡大が葬儀の簡素化に拍車をかけたと言えるでしょう。感染防止のためたくさんの人が集まるお葬式は敬遠されました。感染拡大が落ち着いた後もこの傾向は続くでしょう。

単身世帯の増加も葬送の形態に影響を及ぼしています。誰も見送る人がいない場合、役所が直葬という形で葬儀を代行するケースがますます増えると考えられています。

 

直葬の大まかな流れ

直葬の大まかな流れ

人が亡くなると24時間を経過しなければ法律上火葬できないので、火葬までの間ご遺体を安置する場所が必要です。葬儀社の安置室や自宅に運び、その後納棺・出棺を行います。納棺の際に花を供えるなどの簡単なお別れの儀式を行うこともあります。

お別れの儀式は、火葬直前に炉前で行うことも可能です。この時にお坊さんを手配して読経をするケースもあります。火葬ののち収骨して解散です。初七日の繰り上げ法要や会食は一般的には行いません。

 

直葬の費用相場とその内容

直葬の費用相場とその内容

直葬にかかる費用は、おおよそ20万円~50万円です。主な項目は以下の通りです。

  • ・遺体の安置・管理費用
  • ・遺体の運搬費用
  • ・葬祭用具一式
  • ・スタッフ人件費
  • ・火葬場の使用料

一般葬や家族葬と比べると、式場使用料や祭壇の装飾費用が必要ありません。
上記の中で火葬場の使用料は、葬儀社ではなく火葬場に支払う項目です。葬儀社に支払う費用とは別に必要になるケースがあるので注意しましょう。火葬場の使用料は、公営の場合は無料~5万円程度、民営の場合は5万円~20万円程度が相場です。
またお坊さんに読経や戒名をお願いする場合には、別途その費用が必要となります。

 

直葬のメリット

直葬のメリット

直葬には費用が抑えられることを含めていくつかのメリットがあります。以下の項目で説明します。

  1. ①葬儀費用を抑えられる
  2. ②葬儀が短時間で終わる
  3. ③参列者への対応が少ない

 

①葬儀費用を抑えられる

直葬の最大のメリットは、低価格で実施できる点です。通夜式や葬儀・告別式を省略するので費用を大幅に節約できます。会葬品や会葬礼状も必要ありません。

 

②葬儀が短時間で終わる

時間がかからないことも直葬の大きなメリットです。通夜式や告別式は、準備なども含めるとそれぞれ数時間かかります。通常の葬儀では1日目にお通夜、2日目に葬儀・告別式を実施し、その後に火葬というスケジュールです。長時間拘束されるので、時間的にも体力的にもご遺族にとっては大きな負担になります。

参列者にとっても、拘束される時間が短いことはメリットと言えるでしょう。遠いところから来る親戚にとっても宿泊などの必要がなくなります。

 

③参列者への対応が少ない

一般の葬儀にはたくさんの弔問客が訪れ、喪主やご遺族が対応しなければなりません。大切な人を亡くしたばかりの状態で弔問客へ接するのは、人によっては大きな精神的負担になります。

また、通夜式・告別式の最後には喪主があいさつするのが一般的です。あいさつの内容を考えたり、人前で話したりするのが苦手な方もいます。火葬のみの式では、このような参列者への対応がほとんど必要ありません。

 

直葬のデメリット

直葬のデメリット

直葬にはメリットだけでなくデメリットもあります。さまざまなトラブルが起こる可能性も考慮しなければなりません。以下で、直葬を行う上で考えられるデメリットについて解説します。

  1. ①故人とじっくりお別れできない
  2. ②家族・親族の理解を得にくい
  3. ③葬儀後に弔問客が訪れる場合がある
  4. ④菩提寺の理解を得にくい

 

①故人とじっくりお別れできない

そもそも葬儀とは、遺された人たちが大切な人を亡くしたことと向き合い、参列者と悲しみを共有することが目的です。故人としっかりとお別れの儀式をして区切りをつけることで、新しい生活の第一歩を踏み出すきっかけになります。直葬は必要な葬送儀礼をほとんど省略しているため、後悔する可能性も否定できません。

 

②家族・親族の理解を得にくい

直葬は比較的最近になって行われるようになった葬儀形態なので、高齢者をはじめとする家族・親族の中には簡素な葬儀に反対する人もいるかもしれません。直葬を選んだ事情も踏まえ、事前によく相談することをおすすめします。

また、どこまで参列者を呼ぶかも重要な問題です。直葬は参列者の少ない家族葬よりもさらに人数が限定されます。招待しなかった人と後になってトラブルにならないよう、気をつけなければなりません。

 

③葬儀後に弔問客が訪れる場合がある

参列者を限定しているため、事後になって訃報の連絡を受けた人の中には、弔問に訪れる方もいます。葬儀での参列者への対応が必要ないと考えて直葬を選んだにもかかわらず、頻繁に弔問客が訪れるとかえって負担が増えることにもなりかねません。

 

④菩提寺の理解を得にくい

菩提寺に納骨を検討しているのであれば、事前に了承を得ることが重要なポイントです。場合によっては納骨を断られるケースもあります。そもそも菩提寺は、檀家の一連の葬送儀礼をすべて執り行う存在です。お葬式を簡略化することには反対する可能性が高いでしょう。

 

直葬で費用負担を抑えるコツ

直葬で費用負担を抑えるコツ

直葬は他の葬儀形式に比べて費用負担の少ない葬儀ですが、さらに費用を抑えるコツについて紹介します。

  1. ①葬祭扶助制度を利用する
  2. ②余計なオプションをつけない
  3. ③公的な補助制度を利用する

 

①葬祭扶助制度を利用する

葬祭扶助制度とは、経済的な事情で葬儀ができない場合に自治体が葬儀費用を負担してくれる制度です。基本的には生活保護受給者が対象で、この制度を利用して行う葬儀を生活保護葬や福祉葬などと呼びます。

支給される金額は大人が約20万円、子供が約16万円です。ただし、自治体によって金額は多少変動します。葬儀内容も細かく規定されていて、内容はほぼ直葬そのものです。

葬祭扶助を受けるには、必ず葬儀を行う前に申請しなければならないので注意しましょう。

 

②余計なオプションをつけない

直葬は基本的に最低限の葬式の形態ですので、葬儀社が設定する直葬プランの説明を受けると物足りなく感じるかもしれません。だからといってあれこれとオプションをつけていくと、当然その分費用はかかります。その結果大幅に金額が増えてしまっては元も子もありません。

 

③公的な補助制度を利用する

健康保険や後期高齢者医療制度の加入者が亡くなった場合は、自治体などからの支給があります。加入している制度により「葬祭費」「埋葬料」「埋葬費」など名称はさまざまですが、約5万円が支給されます。ただし市町村や制度によって金額は異なり、東京23区では7万円の葬祭費が支給されます。
葬儀の形態によらず支給されるので忘れずに申請しましょう。

 

直葬をする際の注意点

直葬をする際の注意点

直葬は新しい形態の葬儀なので、気をつけないと思わぬトラブルになる可能性があります。
直葬を行う際には以下のような点に留意しましょう。

 

葬儀社と事前にしっかりと打ち合わせをする

直葬は費用が安い分、できることは限られています。さまざまな要望を出しているうちに、思ってもみなかった高額にならないよう注意しなければなりません。葬儀社と事前によく相談し、内訳のわかる見積書を出してもらいましょう。わからないことはきちんと確認し、こちらの要望も事前にはっきりと伝えることが大事です。

 

親族の理解を得る

直葬は今までになかった葬儀の形態なので、親族の中には簡素なお葬式に反対する方もいるかもしれません。家族や親族とよく話し合って理解を得るようにしましょう。本人の希望である場合は、生前にあらかじめ親族に周知することも重要です。

 

埋葬方法も考える

葬儀だけでなくその後の遺骨の埋葬方法も考える必要があります。菩提寺がある場合は、どのような葬儀・埋葬を行うのか事前によく相談しましょう。相談なく直葬をすると、菩提寺への納骨を断られる場合もあります。たとえ事前に相談しても、理解を得られない可能性も考えなければなりません。

菩提寺がない場合や、菩提寺があっても何らかの理由で依頼できない・したくない場合は、他の埋葬方法の検討が必要です。

最も一般的な方法に永代供養があります。永代供養は、ご遺族に代わって墓地管理者がお墓の管理や供養を行うことです。お墓の承継者がいなくても半永久的に管理や供養をしてくれます。ただし初期費用として、10万円~30万円が必要です。

 

直葬を選ぶ際は内容と費用をよく理解しよう

直葬を選ぶ際は内容と費用をよく理解しよう

直葬にはメリットとデメリットがあります。メリットは金額的・時間的な負担が少ないこと、デメリットは故人とのお別れがしっかりとできないこと、周囲の理解が得られないことなどです。

直葬はまだなじみのない葬儀形態なので、あらかじめ葬儀の内容や費用を把握しなければなりません。
簡素な形式を選ぶとはいえ、葬儀は故人様を見送る大切なセレモニーです。「こんなはずじゃなかった」と後悔しないように事前に納得いくまで検討しましょう。

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