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訃報(ふほう)とは?伝える相手や伝え方、受け取ったときのマナー

訃報(ふほう)とは?伝える相手や伝え方、受け取ったときのマナー

人が亡くなったときに出す知らせを訃報といいます。いつ、誰に、どのような形で訃報を伝えるかは、遺族にとってとても重要です。訃報を受け取る側も知らせを聞いて驚くかもしれませんが、遺族に失礼のない対応をしなければなりません。

本記事では、訃報の伝え方と受け取り方について、マナーを詳しく解説しています。遺族の立場で訃報を出すとき・遺族から訃報を受け取ったときの参考にしてください。

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訃報とは?

訃報とは?

訃報とは人が亡くなった知らせのこと

訃報(ふほう)とは、人が亡くなったお知らせのことです。
「訃(ふ)」には人の死のお知らせという意味があります。

伝える方法は、後述するように電話・メール・FAXなどさまざまです。
伝える内容は、亡くなった人の名前以外に死因や死亡日時、葬儀の日程や執り行われる宗教宗派、喪主の名前などが挙げられます。

死因については、あまり知られたくない場合は無理に記載する必要はありません。
訃報を伝える側・受け取る側の双方に、気をつけたいマナーがあります。

 

訃報の使い方

訃報という言葉を使う場合、訃報を伝える側は「訃報を流す」、訃報を受け取る側は「訃報が届く」「訃報に接する」といいます。「訃報」自体に「知らせる」という意味が含まれているので、「訃報を知らせる」のような使い方はできれば避けたほうがよいでしょう。

 

訃報と悲報の違い

訃報とよく似た言葉に悲報があります。悲報は、文字通り悲しいお知らせ全般を指す言葉です。亡くなったときにも使われますが、事故などで大きなけがを負ったケースや、ひいきのスポーツチームが大事な試合で負けたときにも使われます。遺族の側が自分の家族の死亡を伝えるときに悲報ということは通常ありません。

訃報のお知らせ例文については以下の記事で詳しく解説しております。
訃報はどのように知らせるのがマナー?訃報のお知らせの仕方と例文

 

訃報の伝え方

訃報の伝え方

訃報を伝えるときには、伝える人とタイミング、どのような手段で伝えるかを考慮しなければなりません。また、葬儀会場や葬儀日程などは、正確に伝えるよう気をつけましょう。
葬儀の手配であわただしい中、スムーズに連絡できるように事前の準備が必要です。

 

訃報を伝える人やタイミング

訃報は「誰に」「いつ」伝えるかがとても重要です。家族葬など参列者を限定した葬儀の場合、招待しない人には葬儀後に連絡することになります。

伝える順番は、故人や喪主との関係が深い人ほど早めに連絡するのが基本です。
伝える内容もあらかじめ決めておかなければなりません。葬儀場の場所・連絡先、香典や供花、弔電を辞退するのかどうかも重要な問題です。

最近では終活も盛んに行われるようになりました。亡くなったときに誰に連絡するのかや葬儀の規模・形態をどうするのかなどについて、生前に家族で相談しておくとよいでしょう。

以下の表に、一般的なケースでの訃報を伝える相手とそのタイミングをまとめました。通知する相手に漏れがないようにしっかりとチェックしましょう。

【訃報の連絡を流す相手】 【タイミング】
家族や親族 危篤時もしくはご逝去後すぐ
故人の友人や知人

ご逝去後もしくは葬儀の日程が決まった後

故人の勤務先や学校など

ご逝去後もしくは葬儀の日程が決まった後

遺族の勤務先や学校など 葬儀の日程が決まった後
地域の関係者 葬儀の日程が決まった後

 

訃報を伝える方法

訃報を伝えるには、電話やメール、FAX、手紙などさまざまな連絡方法があります。伝える相手や緊急性に応じて使い分けてください。

 

電話

電話は最も早く、また最も確実に伝えられる連絡手段です。ごく近しい親族には電話で速やかに伝えるのが望ましいでしょう。伝える内容に漏れがないようにあらかじめメモを取っておくこともおすすめです。葬儀の日程などはメモを読み上げることによって言い間違いも防げます。

電話のデメリットは、他の連絡手段に比べて時間がかかることです。連絡相手が多い場合は、相当の時間を要するうえに、電話がつながらないときはかけ直さなければなりません。
要点を簡潔に伝えて、長話にならないように注意することも重要です。

 

メール

現在では、メールを含むネットの通信手段もすでに一般的になっています。LINEなどのSNSも有効活用しましょう。

多くの人に一斉に情報を送れるのがメールやSNSのメリットです。文字で情報を伝えるので間違うこともありません。電話がなかなかつながらない相手に連絡したい場合にも有効です。

ただし、相手が訃報を受け取ったかどうかは確認しなければなりません。その点では、メールよりもLINEのほうが確実です。年配の親戚の中には、メールやSNSによる訃報の連絡を失礼と感じる方もいるかもしれません。相手にあわせた通信手段を選択しましょう。

 

FAX

相手によってはFAXも有効です。高齢者などに葬儀の会場や日程を知らせるときは電話よりも確実に伝わります。また、会社の取引先などの多くの方に伝えたいときは、FAXを流せば必要な方に情報がいきわたるでしょう。ただし、メールと同様に相手が受け取ったかの確認は必要です。

 

手紙

本来は手紙やハガキなどの文書で訃報を伝えるのが最も正式な手段とされていました。しかし、葬儀までにある程度の日数がある場合は有効ですが、死亡後2、3日で葬儀を済ませてしまう場合には間に合いません。現代において、手紙やハガキは著名人がお別れ会を開く場合や葬儀後に連絡する手段として使われます。

 

訪問

直接訪問して伝えると、相手に丁寧な印象を与えるメリットがあります。ただし、時間がかかるので限られた人のもとにしか訪問できません。ご近所の方には直接訪問が可能です。葬儀の準備や受付などの手伝いが必要な場合は、相談も兼ねて町内会や自治会の会長さんを訪問しましょう。

菩提寺が近くにある場合も、葬儀の段取りや戒名の打ち合わせを兼ねて訪問することがあります。

 

新聞広告や回覧板、掲示板

町内会・自治会によっては、回覧板で死亡を伝えたり、掲示板などに訃報を掲示することがあります。しかし、プライバシーの観点から遺族が敬遠することもあり、最近は減少傾向のようです。

また、広く一般に告知したい場合は新聞に死亡広告を載せる手段もあります。死亡広告の料金は、記事の大きさ、新聞社の規模・掲載エリアなどによってさまざまです。

新聞には死亡記事(お悔やみ欄)があり、著名人の訃報が掲載されます。死亡記事と死亡広告は別のものです。死亡広告は通常、料金を支払うことによって掲載可能です。一方死亡記事は、掲載するかどうかは新聞社の判断にゆだねられます。著名人などニュースとしての価値がある場合にのみ記事になります。

訃報の連絡を受けた場合の対応については以下の記事で詳しく解説しております。
訃報の連絡を受けたらどうする?故人との関係によって違うマナー

 

訃報を受け取ったときのマナー

訃報を受け取ったときのマナー

ここまでは、喪主や遺族など訃報を伝える側の視点で解説しましたが、ここからは訃報を受け取る側のマナーについて解説します。

 

訃報の返事の伝え方

訃報の連絡を受けたときは、速やかに、また短く簡潔にお悔やみの言葉を伝えましょう。
相手は大切な人を亡くしたことで平常心を失い、また葬儀の準備であわただしくしていることが予想されます。どんな連絡手段であっても、相手の時間を必要以上に拘束することは避けなければなりません。

電話で連絡を受けた場合は、「ご愁傷様です」などのお悔やみの言葉が一般的です。
メールの場合は、できる限り早い返信を心がけてください。さらに相手に返信を求める内容や長い文面はNGです。

お悔やみの言葉やマナーについては以下の記事で詳しく解説しております。
葬儀でのお悔やみの挨拶・言葉│基本マナーや状況別のメール文例

 

返事をする際の注意点やマナー

弔事には普段なじみのない注意点やマナーがあります。
訃報に接したときには相手に失礼にならないよう、対応に気をつけましょう。

 

訃報に返事をする場合は「忌み言葉」を避ける

忌み言葉とは、縁起が悪いなどの理由で冠婚葬祭の場で避けたほうがよいとされている言葉です。
「くれぐれも」や「重ね重ね」などの繰り返し言葉は、葬儀では不幸が重なることを連想させるので避けなければなりません。
また、数字の4や9は「死」や「苦」を意味するので不吉とされています。

 

時候の挨拶をしない

弔事の文章には、特有の書き方のマナーがあります。簡潔さを心がけなければならないため、時候の挨拶などの前置きは不要です。故人への哀悼の意と遺族をいたわる言葉を手短に述べましょう。

 

死因に関することを聞かない

訃報に接したときに、死因に関することを詳細に尋ねないことも重要です。あまり人に知られたくない理由で亡くなった可能性もあります。遺族の心情には十分配慮しなければなりません。

 

訃報のマナーや知識を身に付けて故人をしっかりお見送りしましょう

訃報のマナーや知識を身に付けて故人をしっかりお見送りしましょう

訃報は身内が亡くなったことを対外的に知らせる重要な第一報です。受け取る側も、遺族の気持ちに寄り添った失礼のない対応をしなければなりません。いざというときに備えて日頃からマナーを知っておくと、大切な人のお見送りの場面できっと役に立つことでしょう。

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